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新卒で入ったNTTをやめ、ブログを始めたことをきっかけとしてインターネットの世界を20年にわたって見つめてきた徳力。ステマ問題に対しても、Yahoo!個人オーサーやブロガーとしてそれぞれ分析してきた彼は、時代の過渡期をどう読み解いていくのだろうか──。(以下、徳力談)


インフルエンサーマーケティングは、大きく2種類に分けられます。

一つはフォロワーx3円とかの料金表があって、とにかく量を重視して投稿してもらう広告ビジネス型。今までのマスマーケティングはメディアの広告枠を買うものでしたが、代わりに人の投稿欄を広告として買ってるイメージですね。

ある意味、今がマスメディア時代からソーシャルメディア時代の過渡期にあるというシンボル的な手法だと思います。

もう一つは、心の底から面白いと思って、人に薦めたくなるような企画を考えるPR型です。先に面白いと思ってくれる構造ありきのインフルエンサーマーケティングです。

ノーギャラでも楽しんでくれた人が素直に楽しかったと言ってくれる。その中にはいわゆる芸能人のようなインフルエンサーが混じってくれれば理想ですし、一般人の中でもプチインフルエンサーも混じってくれれば話題になります。

今の時代、インフルエンサーマーケティングが注目されるのは、私たちみんながメディア化しているから。一人の芸能人が取り上げることで話題になることもあれば、大勢の一般人の投稿がうねるように連なって話題になることもあります。それが結果としてムーブメントになることもある。

前者の広告型のインフルエンサーマーケティングは、お金を払っただけ投稿が買えるので、担当者としては分かりやすく流行ってる印象ですが、広告的な投稿の影響力って実は低くなりがちなんですよね.

後者のPR型のインフルエンサーマーケティングの発想で企画をした方が、本当の意味での「影響力」がある投稿がされることが多いとは思います。

インフルエンサーのフォロワー数の多さとは別に、人間の心をどう動かすかがコミュニケーションの本質。

ギャラとして広告費を払わなくても、招待されたら喜んで行くような企画であれば、有名人がお忍びできてくれて話題になることもあり得ます。そういう本当に面白い企画であれば、ギャラが支払われていても胸を張って、ギャラは出てるけど本当に面白いからみんな見に来てね、と言えるはず。

今、日本はまだ過渡期でどうしてもマスマーケティングの感覚が残っています。

テレビコマーシャルは広告だとわかるので、芸能人本人が広告に起用されていること自体を明示する必要はありませんでした。ただ、そのノリでツイッターやインスタグラム上で、ギャラをもらっていることを明示せずに広告投稿をすると、ファンや外部のユーザーから「それはステマだろ」と指摘されてしまう時代です。

ツイッターやインスタグラムは、芸能人がギャラをもらって宣伝投稿をするのが当然のサービスではなく、私たちみんなが普通に会話をしているプラットフォームですから。

インフルエンサーの方や企業の宣伝担当者からすると、どうしても投稿を広告だとハッキリ目立たせたくないから、表現をあいまいにしたりしがちですが、これは視点を変えるとファンやユーザーを騙そうとしている行為になってしまいます。

ファンの人たちの信頼も失いますし、炎上するリスクもあるので避ける方が良いでしょう。

文=井土亜梨沙、写真=曽川拓哉

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