起業家たちが選ぶ「今年の一冊」 2019年に影響を受けた書籍・漫画とは?(後編)

Shutterstock


Voicy 緒方憲太郎

・FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(日経BP)
ファクトフルネスは、社会に情報が溢れ、同時にあらゆる情報がパーソナライズされて提供される世界の中で、我々の思考がどれだけ思い込みやノイズに影響されているか、事実(ファクト)を正しく捉えられていないか、という点に気づきがあり、どうやってフラットに思考できるかについて考えさせられます。

・嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え(ダイヤモンド社)
嫌われる勇気については、経営者として組織づくりを学ぶ必要がある中で、そもそも人の行動原理についても勉強する一環で読んだものです。起業した頃はごく少人数で事業を作るというところからスタートしているため、人のマネジメントについてはそこまで意識をしていませんでしたが、組織が拡大するにつれ、マネジメントを真剣に考える必要性を感じており、「相手は何を目的として今この行動/発言をしているのか」と考えると客観的に相手のことを理解しやすくなるように感じています。

RamenHero 長谷川浩之

・貞観政要(筑摩書房)
中国の歴史の中でも長期に渡り安定したことで知られる唐王朝の祖である太宗が、どのように巨大な王国を整え治めたか、その要諦について書かれています。少しずつ社員が増える中で組織作りに関する本を手に取ることにし、そのうちの一冊でした。印象的だったのは、太宗自身が聡明で偉大な人物でありながらも時には誤ちをおかしたことも書かれていること、それからその誤ちを諌める部下がいた事、またそのやり取りも含め残されていることです。

「良いリーダーとは兼聴を心がけ、偏信(耳障りのいいことだけを言ってくれる人の意見や考え方だけを鵜呑みにすること)を避ける」。良いリーダーになるための普遍的な姿勢や心構えについて考えはじめるきっかけを与えてくれました。

SARAH 高橋祥太

・世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか(光文社)
・「ハートドリブン」(幻冬舎)

必要となる基礎知識や技術が複雑化する中で、あくまで起点となるのは哲学や感情という事を的確に指摘してくれています。

・アフターデジタル(日経BP)
・小売再生(プレジデント社)

複雑で見えづらかったOMO(Online Merges with Offline)を整理し、今後世界が向かうであろう方向性を示してくれました。

HERP 庄田一郎

・顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか(ダイヤモンド社)
今年、米国ザッポス社を訪問したことをきっかけに改めて読んで、僕の作りたい会社ってこういうものなのかもしれないと思いました。いまの時代、採用においてとても大切な要素のひとつが、企業の透明性を前提とした従業員のエンゲージメントなのではないかなと考えていて、それを徹底して作りにいっているのがザッポス社だなと感じています。組織戦略における意思決定権の分散という論点においても、参考になる本だと思います。

・サンクチュアリ(小学館)
・漫画のなかで挙げるなら『サンクチュアリ』でしょうか。月並みかもしれませんが、志の大きさと強さがめちゃくちゃかっこいいなーと思いました(笑)。
次ページ > ひとつのことに情熱を注ぎ人生をかける

構成=新國 翔太

ForbesBrandVoice

人気記事