強い米国経済を背景にしているのはもちろんのことだが、CFOのリチャード・ギャランティー氏が記者会見で、リアルショップとオンラインショップについて、「リアル店舗重視」の方針を強調し、アマゾンが他社をなぎ倒していく時代に、これがコストコの成功戦略かと注目を集めた。
もちろん、オンラインでも、コストコはたくさんの商品を売っている。力を入れていないわけではけっしてない。アメリカのコストコでは、オンラインでの注文を前提とした好評商品を会員に紹介する会員誌と、リアル店舗での購入に主眼を置いたクーポンの束が会員宅に定期的に送られてくる。
今年の感謝祭後のブラックフライデーには、コストコのウェブサイトでは、あまりにもたくさんの消費者がオンラインセールに飛びついたため、サイトが著しくスローダウンし、買えなかった人がたくさん出たほどだ。
去年の数字でいくと、ブラックフライデー期間中、コストコのオンラインは通常比21%もの売り上げ増を見たという。「あらゆる手段を尽くして対策を打っていたが、それでも需要に追いつかなかった」とギャランティーCFOは悔やんでいる。
しかし、ウォルマートやターゲットなどのライバルが、リアル店舗とオンラインショップのウエイト配分を徐々にオンラインに傾斜していくなかで、前述のように、コストコはリアル店舗での販売に主要な重心を置いて行くことを表明している。
たとえば、他社のお客がオンラインで買ってリアル店舗でピックアップするような手法に、コストコのギャランティーCFOははっきり疑問を呈しており、30年一貫してやっているリアル店舗拡大路線を今後も続けると表明している。