起業家たちが選ぶ「今年の一冊」 2019年に影響を受けた書籍・漫画とは?(前編)

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マイナースタジオ 石田健

・暴力と不平等の人類史: 戦争・革命・崩壊・疫病(東洋経済新報社)
ピケティの『21世紀の資本』がブームになりましたが、格差拡大はもはや万国共通の課題になっています。ピケティに言わせれば資本に対する累進課税でどうにかしようとなりますが、本書は戦争や疫病などカタストロフィが起きない限り、格差は縮まらないのだという身も蓋もない主張をしています。

・The Politics of Regret: On Collective Memory and Historical Responsibility(Routledge)
あいちトリエンナーレの慰安婦の少女像が話題になりましたが、それを受けて改めて読んだ1冊です。歴史認識など国家が和解するには、単なる謝罪や事実の特定だけではダメで、関係者がともに記憶を保存して、語りを継承しなくてはならないという指摘は、この分断の時代、いくら強調してもしすぎることはないと思います。

・PIXAR<ピクサー>世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話(文響社)
クリエイションと金儲けの両立について勇気をもらえた印象的な1冊でした。

SHE 中山紗彩

書籍や漫画ではないですが、個人的にRobsterやQuartzなど「リアルタイムで世界に目を向けられる」日本語の媒体がでてそこに触れられるようになったことが大きな自分の変化になったと思っています。2020年のオリンピックまでは、少し余裕のあるポジティブな状態で多くの外国人観光客を迎えるマナーとして、それが終わった後は沈みゆく日本経済はあてにできないのである意味切羽詰まったネガティブな状態で日本の起業家も「世界に目を向け、世界で事業立ち上げをする」必要のある時代に変化していくと思っています。

構成=新國 翔太

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