起業家たちが選ぶ「今年の一冊」 2019年に影響を受けた書籍・漫画とは?(前編)

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ミラティブ赤川隼一

・テンセントー知られざる中国デジタル革命トップランナーの全貌ー(プレジデント社)
経営者として2019年にいちばん多く線を引いた本だったため。「アリババ -世界最強のスマートビジネス-」と並んで、学ぶ対象もシリコンバレーから中国に移っていっている流れの象徴だなと思います。

ウツワ ハヤカワ五味


・イスラム2.0: SNSが変えた1400年の宗教観(河出新書)
今後、グローバル展開を考えていくうえで外せないのが「宗教」です。インターネットと宗教というものは中々関連性を見出せませんが、実は深いところで影響しあっているということがわかる1冊です。インターネットの普及前後で大きく変化する、イスラム教徒の教義との向き合い方について書いてあります。

・Dr.STONE(ドクターストーン)(集英社)
ガチハマりしてやばいです。科学というものが存在しないゼロの状態から、一歩ずつモノを作り上げていき、その作ったモノたちが人の生活を豊かにし人を肯定していく過程を見守れて感動的です。さらに、さまざまなキャラクターたちをまとめあげていく千空くんには起業家の才能がありすぎて困ります。名言連発しすぎてて、すべてメモってます。

バルクオム 野口卓也

・苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」(ダイヤモンド社)
この書籍に胸を打たれました。森岡毅氏がマーケターとして卓越した分析と戦略スキルを持つことは以前から理解しておりましたが、ご自身のストーリーに触れると、決してその頭脳だけでキャリアを築いてきたのではないことがよくわかります。とくにP&Gでの海外駐在時代、不退転の覚悟で上司と戦い抜いたエピソードは、逆境におかれるたび思い出すわたしの拠り所となっています。グローバルビジネスを志す経営者として、森岡氏のように考え抜かれた戦略を鬼神が避く勢いで断行してゆかねばならないと心に刻んでおります。

コネヒト創業者 大湯俊介

・発想する会社!〜世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法〜(早川書房)
10年前の留学中に読んだ本を読み返したのですが、今思えば「ユーザーに近いものづくり」に憧れと好意を抱いたのは、この本がきっかけだったんだなと思い返しました。趣旨としては、世界的に有名なデザインファームの走りである「IDEO」がどうやってイノベーションの種を見つけているのか、というのを事例ベースで紹介した本です。

IDEOはアップルの最初のマウスをデザインしたりと、とにかく事例が豊富でワクワクに事欠かない1冊です。「新しいアイデアは、見ること、嗅ぐこと、聞くこと ーつまりその場にいることー から生まれる」という箇所に何本も赤線が引いてあり、また一本それが加わることになりました。

マクアケ 中山亮太郎

・ハートドリブン(幻冬舎)
経営者としての先輩であり友人でもあるアカツキ塩田社長の自伝的著書。事業成長の裏にあった苦悩や、プレッシャーを乗りこなす心のあり方など、とてもリアルで生々しいけど、ハートに熱さが残る1冊でした。

・イノサン Rouge(集英社)
フランス革命を題材にした物語。通常の漫画に必ず存在する擬音語表現を書かないという独特な表現手法をとっているのもさることながら、圧倒的な画力による美しい表現が漫画の範疇を超えた芸術の域に。ジャンプ系列とは思えないとてもチャレンジングな作品です。
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構成=新國 翔太

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