【独占】市川海老蔵がテクノロジーに見出した可能性、なぜ伝統文化との融合を?

歌舞伎俳優の市川海老蔵

歌舞伎俳優の市川海老蔵がマクアケに出資する──。

このニュースが飛び込んできたのは、2017年10月のこと。歌舞伎俳優が“投資家”として、スタートアップに出資するのは前例がない。当時、市川海老蔵のマクアケへの出資はセンセーショナルな出来事として大きな注目を集めた。

2020年5月には“十三代目市川團十郎白猿”を襲名する予定など、江戸時代から350年続く伝統を受け継ぎながらも、革新的な取り組みも積極的に行っている市川海老蔵。

例えば、歌舞伎の海外公演に始まり、特別公演『源氏物語』の舞台演出に人体センシングとプロジェクションマッピングを活用した「イマ―シブ(没入型)プロジェクション」の導入、そして「STAR WARS 歌舞伎 —煉之介光刃三本—」のユーチューブ生配信といったことがそうだろう。

“伝統と革新の融合”に取り組んできた市川海老蔵が、クリエイティブ集団と共同で地域創生と日本の伝統文化をアップデートするプロジェクトを始めるようだ。

日本各地の伝統文化を見直し、革新的なクリエイティブやテクノロジーを掛け合わせて新様式を生み出すプロジェクト「ジャパネスクプロジェクト」のエグゼクティブアドバイザーに市川海老蔵が就任したことが、12月26日に発表された。

2020年は海外の人に日本を知ってもらう良い機会


「ジャパネクスプロジェクト」で手掛ける4つの事業。左上:「夜会」、右上:「縁日」、左下:「出島」、右下:「合戦」。

同プロジェクトを仕掛けるのは、最先端テクノロジーを軸に、AI技術を駆使した新サービスの開発や、プロジェクションマッピング・XRなどを活用したデジタル演出などを行っている近未来クリエイティブ集団「ワントゥーテン」だ。

同社は柔道金メダル3連覇の野村忠宏氏と阿部一二三選手・阿部詩選手との柔道イベントでのプロジェクションマッピング演出や、夜の旧芝離宮恩賜庭園を活用したライトアップイベントの総合演出、パラスポーツとテクノロジーを組み合わせた新しいスポーツエンタテインメントのCYBER SPORTSプロジェクトなどを手がけてきた実績を持つ。
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文=新國翔大 写真=小田駿一

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