ビジネス

2019.12.26

次世代の起業家25名のトレンド予測! 2020年、社会はどう変わるか?(後編)


GoodMorning 酒向萌実

・2019年の振り返り
2019年は、声をあげ、世界を変えようとする人々が「国を超えて連帯した年」だったと感じています。まず、地球が気候変動による危機的状況に直面しているという事実を改めて世界に向けて発信したグレタ・トゥンベリさんが2018年にはじめたデモ「Fridays For Future」は気候変動マーチとして世界中の若者に広がりました。

日本では、9月から10月にかけて、台風大雨被害が立て続けに発生し、多く被害が起きたことから、環境についての意識が変わったという声も聞こえましたし、プラスチック包装の廃止などに取り組む企業のメッセージを見ることも多かったように感じます。

また、チリの権利団体「ラス・テシス」が、女性に対する暴力事件が絶えない状況に抗議した「レイプしたのはあなた」というメッセージを伝える歌とダンスのパフォーマンスも、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」の11月25日から、たった1か月で世界中の女性へと広がりました。国内の課題を解決するときも、世界規模の課題を解決するときも、わたしたちは国境を超えて、同じ未来をつくっていきたいと願う人々と連帯して社会を変えていける、と実感した1年でした。

・2020年のトレンド予測
2019年に盛り上がった「気候変動」の危機を回避するためのアクションが、実際にサステナブル、かつ根本的な解決策として実施されていくことを期待しています。スターバックスでは2020年1月より紙ストローでの提供を開始、ユニクロやZARAなどのアパレル企業ではプラスチックのショッピングバッグの廃止など、使い捨てプラスチックを減らしていくためのアクションが話題になりましたが、このアクションが一時的なブームとして盛り上がるだけではなく、根本的に、地球規模の気候変動の危機を解決するためのアクションとして継続されていくことが重要だと思っています。

Autify 近澤良

・2019年の振り返り
Sansan, freeeの大型上場や、SmartHR, b-dashなどの大型調達もあり、BtoBSaaSが盛り上がった一年だったと思います。個人的にはAlchemistの卒業、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)の達成、資金調達と怒涛の連続で、事業が爆伸びした一年でした。

・2020年のトレンド予測
BtoB SaaSの盛り上がりには益々期待しています。この領域は再現性がそれなりに高く、知見を共有する事により業界全体が拡大すると思うので、BtoB SaaSを取り上げるカンファレンスや勉強会、メディアなどが益々活発になっていく事を期待しています。

17kg 塚原健司

・2019年の振り返り
2018年はSNSやインフルエンサー経由で物が売れることが分かり始め、2019年はD2Cという言葉によって定義付けがされた年だったと思います。海外で突き抜けるような成功事例はまだ出てきていない一方で、参入障壁の低さから、マーケットの異様な盛り上がりは感じています。また、D2Cに限らずネットやwebサービスからよりリアルサービスへと、新規ビジネスの考え方が変わってきたなという印象です。

またスタートアップ関連の投資環境は去年に引き続き良好だった印象です。特にマーケットでは、法人向けSaaS熱が冷めてないように感じます。あとはZホールディングスがすごかったです。

・2020年のトレンド予測

・ユーチューブチャンネル
クオリティが高くよりテレビ番組に近い本格的なチャンネルが勃興してきそうな気がします。最近あるあるの漫画動画を切り口に本格的なアニメや漫画動画を展開するプレーヤーが出てくるのではないでしょうか。

・整形関連のマーケット
社会的に一般化してきて、化粧と同じくらいの感覚になっています。これが更に加速するのではないでしょうか。それに伴ってメンズの美意識も一段階ギアが上がると予想。BBクリームやコンシーラー、アイブロウを付けるのは当たり前みたいな世の中は目の前だと感じます。

・引き続きD2C領域
中国を中心に世界で勝つプレイヤーが出てくると思います。

・大麻マーケット(海外)
日本はまだまだ先だと思いますが、世界を俯瞰的に見ると相当伸びています。WHOで医療的価値が認められたりと、医療のアプローチから合法化が世界で進んでいます。日本で言うと、CBDが入った快眠とかストレス低減軸で作られた次世代のエナジードリンクとかが流行るのではないかと思います。

ビビッドガーデン 秋元里奈

・2019年の振り返り
D2C領域、サブスク関連のサービスが増えた印象。特にサブスクはテレビで特集が組まれるなど、かなり一般認知が広まったように感じています。

私たちが提供しているオンライン・マルシェ「食べチョク」は、言い換えれば生産者のD2Cプラットフォームでもあるため、色んなD2Cサービスを参考にさせていただいてます。またサブスク関連だと、野菜セットのオーダーメイドサービス「食べチョクコンシェルジュ」、果物サブスク「食べチョク フルーツセレクト」の2つを展開していますが、どちらも順調に伸びています。他社さんのサービスだと「snaq.me」や「Bloomee LIFE」は業界的にも興味があり、勉強させていただいています。

・2020年のトレンド予測
既存産業の変革を狙う企業に注目しています。テクノロジーの浸透しやすい領域はサービスが飽和してきている印象がある一方、レガシーな商習慣が強い業界ではまだ大きなイノベーションの可能性があります。私たちは農業の業界で事業をしていますが、他業界だと建築や町工場など。ただサービスを作ったら浸透するような領域ではないからこそ、リアルを絡めた事業展開など何かしら一捻りした施策が必要で、業界は全く違いますが各社がどのような取り組みでグロースさせていくかを注目していたいです。

他業界での応用できそうなエッセンスは、食べチョクを通じて農業領域にもどんどん転用していきたいです。
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編集=Forbes JAPAN 編集部

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