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ONE MEDIA 明石ガクト

・2019年の振り返り
令和元年の今年は、同時に動画元年でもあった。若い人だけでなく全年齢においてユーチューブが視聴されインスタグラムやツイッターといったあらゆるプラットフォームで動画が出てくるのが当たり前になりました。さらにネットフリックスなどのSVODによるオリジナル作品がテレビ番組や映画よりも話題になったのが2019年です。5Gが本格的にスタートする2020年に向けての助走期間ともいえる本年は、間違いなく後世で、動画の本格的な盛り上がりが始まった年と語り継がれるはずです。

・2020年のトレンド予測
2020年はブランド企業のユーチューブチャンネル(オウンドメディアの動画化)進出が本格化するでしょう。Red BullやGoProのように、ユーザーがブランドの世界観を強固に感じられるようにするために広告ではなくコンテンツに投資する会社が増えることは、クッキーの規制やアドブロッカーの流行など広告を嫌うインターネットの潮流から考えても間違いないと思います。

プラットフォームにより個人がメディアよりも強い影響力を持つようになった今、その影響力を内製化するためにブランデッドチャンネルという形で伸びていくはずです。

オーマイグラス 清川忠康

・2019年の振り返り
ネット発のブランドとも言えるD2C、DNVB(Digitally native vertical brand)が盛り上がった1年だったと言えます。この背景にあるのは、メディアビジネスの変容、またその背景の根幹にあるのは、消費者の可処分時間の劇的変化があります。メディアビジネスにおいても、従来型の4マスから、SNS、ユーチューブなど新しいメディアに消費者の可処分時間の消費は移行してきていますが、それがようやく物販にまで浸透してきた、と考えることができます。

消費者がテレビではなく、ウェブメディアやSNSを見るようになり、そこから物販、購買動機の醸成が行われ、さらに、そこを起点にしてブランドが生まれ始めたD2C元年が2019年でした。このD2Cがどのようにして、さらに消費者の可処分時間を奪うであろうユーチューブやTikTokと結びついて2020年以降に進化していくかが見どころだと思っています。

・2020年のトレンド予測
OMO(Online Merges with Offline)、RaaS(Retail as a Service)の領域。2019年は、SaaSの領域で多くのサブスクリプション型のサービスが伸びてきましたが、2020年は、サービスだけではなく、物販もさらにサービス業化していくと予想します。IoT、AIなど、デジタル技術の進化、SNSをはじめとしたデジタルプラットフォームの台頭によって、顧客情報、顧客接点の質、量、ともに劇的に進化、変容したのがここ数年ですが、まだまだ物販分野にまで完全には浸透しきっていない印象があります。

物販でいうと、これまでの売ることがゴールの売上中心主義から、売ってからがスタートのLTV(顧客生涯価値)中心主義に変わってきます。この劇的なパラダイムシフトの中で、2020年後半には、デジタルトランスフォーメーションに乗り遅れた一部大手プレーヤーが業界トップから脱落して、デジタル時代の新興プレーヤーに、追い抜かれる例もでてくるのではないでしょうか。

これまでのO2O、オムニチャネルの延長線上にこのOMO、RaaSのトレンドが存在するのは確かですが、これまでのトレンドが既存ビジネスの延長線上で実装可能であった(そのため、キャッチアップが比較的簡易だった)点と比べて、今回のパラダイムシフトが根本のビジネスモデルの変化を求められる点で大きく異なります。既存大手のデジタルトランスフォーメーションの難易度も過去トレンドに比べて倍増しているため、既存大手のOMO、RaaSベンチャーのM&Aによる取り込みも増えると想定しています。

編集=Forbes JAPAN 編集部

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