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カンカク 松本龍祐

・2019年の振り返り
国内においてはモバイルペイメントプラットフォーム間の競争が本格化した年だったと感じています。各社の大規模なプロモーションやキャッシュレス減税の効果もあり、1年前ではイメージがつかなかったくらい浸透したのではないでしょうか。

各社のサービスイン前は、よく「日本は現金主義だから」「中国とは状況が違う」といった声もありましたが、最近はほとんど聞かなくなりました。約10年前にiPhoneが出始めたころ、「日本人は不便なスマホを使わない」と言われていたことが思い起こされます。最終的に、テクノロジーは人々の生活習慣を変える、歴史は繰り返すのだと思います。

・2020年のトレンド予測
「ピュアインターネット」の白地が少なくなっていく中で、今後ますますオンラインxオフラインの融合が進んでいくでしょう。例えば、OMOやRaaSといったキーワードでの新規参入だったり、リアル産業大手の場合はDX文脈での投資が増えていくのではないかと思います。これはキャッシュレス決済の浸透が進むことによる購買情報のデータ化や、労働力人口の減少に伴うサービス産業の効率化など、複数の視点から求められており、中長期的に続くトレンドになると考えています。

ただ、アセットのないスタートアップが新サービスを出して世の中にインパクトを与えられるような規模感になるハードルは低くありません。変化を必要とする大手企業とスタートアップの連携が今後増えてくるととてもいいなと期待しています。2019年に決済のデジタル化から始まった流れが、2020年以降、なめらかに実生活のデジタル化までつながるような事例が増えること祈っていますし、自分自身も目指しています。

gumi 國光宏尚

・2019年の振り返り
ここ数年ずっとなのですが、バーティカルB2B SaaSに資金が集中した印象です。C向けでは収益が既にたっているD2CとVTuberが何とか資金調達が出来ましたが、全体的にはかなり苦しかったと感じます。ファンドの数は増えたのですがシリーズAでC向けにリスクをとった投資をするVCが増えないのは寂しいなと思います。

孫さん率いるソフトバンクグループ無双。ビジョンファンドが世界のVCマーケットを良い意味でも悪い意味でも席巻。世界的なユニコーンブームの是非が凄く問われました。ZOZO買収、LINEとの統合、PayPayと国内でも凄まじい存在感を示したと思います。

未上場ユニコーンのバリュー算定。ウーバー、ウィーワークなどカリスマ創業者のフォースとガバナンス。一方でグーグルやアリババのカリスマ創業者の引退。GAFA分割論が本格化。Libraを筆頭にネット企業と規制当局の衝突。米中摩擦の激化。ネットのブロック経済化。「Make the World a Better Place」をマントラに、グローバル化とテクノロジーの進化は世の中を確実に良くするという無邪気な古き良き時代の終焉を感じました。

・2020年のトレンド予測
2020年は2007年に始まった「スマホ、ソーシャル、クラウド」の時代から「XR、ブロックチェーン、AI」の時代への移行が目に見えて分かるようになる年になります。その始まりとしてVR市場がゲームを中心に急速に立ち上がりを見せます。「Oculus Quest」は北米だけでなく日本でも大ブームが起こるのは間違いないです。ブロックチェーンも各国での規制がまとまり、いよいよ前向きなイノベーションが目立ってくる年になると思います。

ネットのブロック経済化は更に進みます。特に米中対立はテクノロジー産業においては鉄のカーテンまでいくと思います。ファーウェイだけに止まらず、かなり多くのサービスやプロダクトがお互い禁止になると思います。欧州と米国も一枚岩ではなく、ここにビジネスチャンスも生まれてくると思います。日本もこれを機に国家の成長戦略、新産業の育成を真剣に議論するタイミングだと思います。

クラウドワークス 成田修造

・2019年の振り返り
インターネット業界ではソフトバンク/ヤフー、LINE、ZOZO、メルカリなど大きな会社の競争と統合が目立った1年でした。スタートアップでは、「既存産業×IT」およびSaaSが引き続き盛り上がった印象で、SanSanやfreeeなど大型上場に続いて、恐らくこの流れは数年単位では続くかと思います。Yappli、SmartHR、そして次のプレーヤーに期待です。

toCの領域だと大手と比較すると小粒な会社がどうしても増える印象です。D2CもFintechのように盛り上がっていますが、toBや大手プレーヤーのtoCと比較するとどうしても見劣りしてしまう感は否めない印象です。次のメルカリ、次のスマートニュースになれるようなプロダクトを世界に向けて打ち込める会社が出てくると素晴らしいなと思っています。

また、DeepTech領域でも大型調達が続き、TBM(素材)、Synspective(衛星)、GROOVE X(ロボット)など、日本だけでなく世界に通用する可能性のある会社が出てきたことは非常に喜ばしいことだと思います。

最後にクラウドワークスにおいては、政府主導による働き方改革の進展、数多くの大企業の副業解禁、終身雇用・年功序列制度の終焉など、次世代のワークスタイルの潮流変化が本格化し、ますます面白くなってきました。今後5年、10年で大きな変化が起きると考えていますので、クラウドワークスもそのど真ん中で走りたいと思っています。

・2020年のトレンド予測
B2Bですと既存産業×IT、SaaS領域は引き続き期待しています。特にコーポレート周りのSaaSはこれからまだまだポテンシャルが大きく、ここでユニコーンが出てくる可能性を感じます。また、機械学習やブロックチェーンなど先端テクノロジーと既存産業(例えば金融や不動産など)を組み合わせた強烈なプレーヤーが出てくる可能性もあります。

次のPKSHA Technologyと言えるような会社が出てくることに期待です。toC領域だと、純粋なtoCサービスもミラティブなど期待したいですが、こちらも生活産業をテクノロジーで置き換えるような、そういうサービスが伸びてくるはずで、そのような会社に期待しています。食や教育、保険など、巨大なtoC産業だからこそイノベーション余地があるはずで、それらをスマホや機械学習などで変革するようなプレーヤーが出てくると感じてます。

DeepTechも引き続き大期待で、再生医療や遺伝子医療の領域、量子コンピュータなどこれから大きく伸びる可能性があるため、こういう領域にもっと資金が投入され、長期で社会を変えていくような動きが出てくると嬉しく思います。

最後に、全体的に言えることは、日本だけでなく、東南アジアもインドも、欧米も、世界にいきなり出ていくサービスも出てきて然るべきだと思うので、そういうプレーヤーが恐らく増えてくるだろうと思ってます。日本企業に海外企業が未上場段階で出資するケースも増えていますし、サービスとしても海外での展開が主流になると思いますので、そういう大胆なプレーヤーが出てくることに期待したいです。

編集=Forbes JAPAN 編集部

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