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ヤフーによるZOZOの買収、LINEとの経営統合。そしてSansanやBASE、freee、マクアケなどスタートアップの上場が相次ぐなど、さまざまな動きがあった2019年。

起業家たちは今年の動向をどう振り返り、2020年のトレンドをどう予測しているのか──Forbes JAPAN編集部は起業家たちにアンケートを実施。その結果を紹介する。


hey 佐藤裕介

・2019年の振り返り
マクロなゆっくりした変化で、本当に起こっているのか見えづらかったものが表出した1年だったような気がしています。

たとえば、労働人口減少の深刻さを裏打ちするように、リモートワーカーによるBPO領域や単発の単純作業アルバイトマッチング(タイミー、UberEats など)、銀行支店の撤退に伴うセンシング領域(決済ベンダー)などが構想だけでなくリアリティーを持って成長したり、単身世帯増、格差拡大にともなう低廉な娯楽市場の成長(ミラティブ、UberEats、各種ストリーミングサービスなど)が顕著だったように感じています。

・2020年のトレンド予測
上述の通り、大きな社会変化に対する具体的な打ち手が伸びていきそうです。特に労働人口問題は大きく、急激に雇用主サイドの危機感が高まっているように感じます。

その中でも、拙速なAIによる完全自動化ではなく、「リモートワーカーxソフトウェア」による能力拡張の領域に関心があります。オフィスに「通勤可能x業務遂行」に必要な能力のすべてを求めても採用が困難な状況にあり、経年でどんどん悪化していきます。

オンラインによるリモートワークと、ソフトウェア、AIによってスタッフの能力を拡張していくような仕組みが求められると思います。具体的にはチャットまわりの「Zeals」「Jent」「PKSHA Technology」「mend」「Caster」などです。

Layer X 福島良典

・2019年の振り返り
ベンチャーにとっては2つの大きな出来事があったと思います。ひとつはヤフーの経営統合(ZOZO買収、LINEと合併)、もうひとつはIPOマーケットの停滞です。これによってスタートアップの戦略は、今まで以上に、強固なディフェンス性(金で買い叩かれないマーケットか?)とビジネスのキャッシュフロー(調達に依存しなくても生き残れる会社か?)が求められます。

また純粋なITの領域はもはや成熟産業であり、単純な指標で評価できない複雑な領域にソフトウェアをどう適用するかが課題になったと思います。「Gojo」「OLTA」「カンム」「Funds」「Caddi」など、今までとは少し毛色の違う会社の大型調達や躍進が目立ちました。また、コンシューマーの分野ではアフターメルカリの世界観を表すように、希少性の高いバーティカルCtoCがかつてない勢いで伸びています。

いずれにせよ、マーケット、プロダクト、ファイナンス、テクノロジーあらゆる領域において、今までの5〜10年くらいで作られた常識のチェンジが始まる、そんな一年だったと思います。上記に挙げた企業だけでなく、LayerXも「実は2019年に仕込んで成長が始まった」と言われるような1年であったということに後々の結果を出すことで示していきたいと思っております。

・2020年のトレンド予測
(ポジショントークではありますが)ブロックチェーン、フィンテック、規制産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に期待しています。これらの領域は偶然今盛り上がっているわけではありません。テクノロジー、ソフトウェアの進化、それに伴う社会の態度の変化(法体系の変化、人々のソフトウェア技術に対する意識の変化、デジタルに対する意識の変化、IT業界のエコシステム形成からの学習)から起こっている不可避で、確実なトレンドだと考えています。

この領域でのイノベーションは必然的に大企業や既存のプレイヤーとのコラボレーションを必要としており、一筋縄ではいきません。一方、純粋な資本の積み合いの勝負でもありません。経営に必要な変数が多く複雑なため、ITジャイアントでも簡単に模倣、展開できない領域でもあります。

この5〜10年である程度確実度が高まったコンシューマーWebの領域から、エンタープライズへのソフトウェア適用に、社会が、起業家が、投資家が、ベンチャーで働く人々が民族大移動を起こす、そんな始まりの1年に2020年はなると期待しています。もちろんLayerXもその中で時代をリードできるような立ち位置になれるよう努力していく所存であります。

編集=Forbes JAPAN 編集部

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