メラニア夫人は、アメリカの青少年の間に麻薬が蔓延していることを憂い、撲滅キャンペーンに取り組み、各種団体に呼ばれては時々スピーチをしている。
今回、ボルチモアで、青少年への啓蒙イベントでスピーチを頼まれ、壇上に立ち、話を始めたら、複数の子供たちからのブーイングに遭遇した。
メラニア夫人の支持率は70%
大統領夫人は、夫人として大統領を精神面で支えるだけでなく、それなりの公務を負うことが多い。とは言っても、政争の矢面にさらされることは無いので、むしろ政策事項に安定的に関わることができ、実効が上がる場合もある。
たとえば、フランクリン・ルーズベルト大統領の夫人であるエレノア・ルーズベルトは、アメリカに初めて年金制度をもたらし、実現させた真の立役者だし、ヒラリー・クリントンが大統領夫人としてホワイトハウスにいた時代から健康保険改革をライフワークとして進めていたことはよく知られている。
ロナルド・レーガン大統領は21世紀になってから英雄視されることが多いが、レーガン政権の閣僚たちが常に夫人のナンシー・レーガンの顔色を伺っていたことを閣僚補佐だった人から聞いたことがある。
ケネディ大統領の夫人ジャクリーン・ケネディや、ジョンソン大統領の夫人レディ・バード・ジョンソン、最近ではオバマ大統領の夫人ミシェル・オバマなど、多くのファースト・レディーは国民に広く親しまれ、政党に関係なく人気度が高い。
メラニア夫人は、外国生まれであり(旧ユーゴスラビア)、英語にはハンディがあるが、それでも懸命に公務を務めているというのが一般的な見方で、強烈なトランプ攻撃に終始したこの3年の間も、メディアはめったにファースト・レディー批判はしてこなかった。
実際、今年3月のフォックス・ニュースによれば、メラニア夫人の支持率は70%にも上っていた。また、CNNによれば、今回メラニア夫人がブーイングを受けたことは初めてだということだ。
今回のブーイング騒動は、いよいよ次期大統領選挙まで1年を切って、新聞紙面の半分が大統領弾劾審議と選挙関連記事に占められるような状況となり、アンチ・トランプの大人たちが、子供たちにまでその批判を躊躇なく刷り込んでいることが浮き彫りになった形だ。