人生100年時代における自分自身の育て方

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賞金目当てに、プチ断食に挑戦したのですが、眠れないほど空腹に。そんなある日の深夜、他の参加者から「おなかがすいて眠れない! 助けて!」という投稿がありました。すると、どうやったら乗り越えられるかのアドバイスや励ましのコメントが次々とついていきます。投稿者は「みんなありがとう。お湯を飲んで寝る!」と書き込み、どうやらベッドに戻ったよう。

私も同様にしてその日をやり過ごしながら、自分とおなじ境遇にいる人や先輩たちのサポートがあれば、目標に向かって歩み続けられるのだと気づきました。

結局、このDietBetでは200gオーバーのため賞金を手にできませんでしたが、これをきっかけに、自分のレベルにあったコミュニティを探し、短時間でも体力が作れて、世界中の11万人の女性が鼓舞しあっているヨガのコミュニティを見つけて参加。1日30分週3回のプログラムを実施するようになりました。

先日、今年の目標達成の報告を投稿をしたところ、1日で493件のいいねと114件のコメントがつき、次のステップへの具体的な提案までもらい、来年への弾みとなりました。

キャリアでも同様に、コミュニティを活用しています。締め切りがないとやらない怠け癖を断ち切るために、定期的に研究会を開催し、当日までにテーマについて学習することを習慣化。

2回続けて休んだメンバーには、「最近忙しい? 顔だけでもだして」と声を掛け合い、休んでもまた来やすい雰囲気づくりもしています。コミュニティで仲間と一緒に取り組むことが、自分を前へと強制的に進めてくれるエンジンになるのです。

大きなチャレンジや冒険よりも、地道な進化を

12月某日、一時帰国した前述の幼馴染とランチをしました。「一大決心をしてニュージーランドに来たけれど、挫折してすべてを失った人にも会った。飛び出すのが向かないタイプもいると思う」と、この8カ月の生活を振り返る彼女。別れ際に言っていた、「自分のそのときの状況でできることをやっていけばいい」という一言が的を得ているような気がしました。

人生100年時代、長いスパンのなかで自分の成長をどう描いていくのかはとても重要です。しかし、必ずしも大きな冒険やチャレンジが必要なわけではない。それよりも、わずかでも「進化」していく方法を考えて、それを少しずつでも実行に移していくこと、こうした地道な積み重ねを経てこそ、振り返ったとき、成長している自分を見つけられるのでしょう。

その過程においては、友人やコミュニティのように、自分を見直すきっかけを与え、感化してくれる仲間を持つことも欠かせません。自分にプラスの刺激を与えてくれる人と一緒に生きていく。それが、100年にわたり自分を成長させていくカギなのかもしれません。

連載:「グローバル思考」の伸ばし方
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文=秋山ゆかり

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