2020年後半から電動ピックアップトラックやSUVの製造を開始する同社の最新の資金調達は、ティー・ロウ・プライス(T. Rowe Price)の主導で、アマゾンやフォード、ブラックロックらも参加した。
2018年にステルスモードを脱したばかりのリヴィアンは、今年4回の調達を実施し、累計調達額は30億ドルを突破した模様だ。
「新たな出資を受けられたことに感激している。今回の出資は当社のプロダクトやテクノロジー、チームへの信頼性の高さを示している」と、マサチューセッツ工科大学(MIT)出身のリヴィアン創業者でCEOのRJ Scaringeは述べた。
同社は昨年、世界初の完全電動ピックアップトラックのR1T Truckや、7人乗りの電動SUV車両のR1Sなどを発表し注目を集めた。さらに、今年9月にリヴィアンは、2030年までに10万台の配送用のEV(電気自動車)バンを、アマゾンに納車する計画を明かした。最初の1万台は2022年までに配備されるという。
リヴィアンの車両は同社が「スケートボード」と呼ぶ駆動用バッテリーやパワートレーン、サスペンションなどを搭載した共通プラットフォームで組み上げられている。R1Tと、SUV車両のR1Sは大容量のバッテリーを搭載し、1充電あたりの走行距離は、テスラの全てのモデルを上回る最大400マイル(約644キロメール)となっている。また、価格はR1Tが6万8000ドルで、R1Sが7万2500ドルとされている。
クラーク・ケント似のルックスのScaringeは、マサチューセッツ工科大学(MIT)でメカニカルエンジニアリングのPhDを取得し、過去10年に渡りEVの開発を進めてきた。
リヴィアンはかつて三菱自動車が組立を行っていたイリノイ州の工場を、2017年に買収し、そこで初期の2モデルの製造を開始する計画だ。同社は既に1000人以上を雇用しており、2021年からEVのグローバル販売を開始するという。
今回の調達以前に、リヴィアンは2019年に合計で15億ドル以上を調達しており、アマゾンから7億ドル、フォードから5億ドル、コックス・オートモーティブから3億5000万ドルを調達していた。
同社は2018年にサウジアラビアの投資グループのAbdul Latif Jameelや、米国住友商事、ロンドンのスタンダードチャータード銀行らから4億5000万ドルを調達していた。