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世界有数のセキュリティ企業「パロアルトネットワークス」のIT部門の社員が、株式のインサイダー取引により700万ドル(約7億6000万円)の不正な利益を得ていたことが12月16日、明らかになった。

同社で2012年から勤務していた42歳のソフトウェアエンジニアのJanardhan Nelloreは、社内の内部情報をもとに不正な株式の売買を繰り返していたという。米司法省によると、Nelloreは内部情報を社外の仲間とも共有していた。

起訴状によるとNelloreは2015年から2018年にかけて仲間と共謀し、社内の内部情報をもとに、決算発表の直前と直後のパロアルトネットワークスの株式の売り買いを繰り返していたという。不正取引の回数は800回にも及んでいた。

彼は仲間内でこの不正取引をbabyと呼んでおり、3年間で700万ドルを超える不正な利益を得ていたとされる。米国証券取引委員会(SEC)も12月17日、Nelloreらの容疑を告発した。

FBIは今年5月、サンフランシスコ空港でNelloreの身柄を拘束していた。彼はインドのニューデリーに片道の航空券で向かおうとしていた。

時価総額220億ドルを誇るパロアルトネットワークスは、声明で次のように述べた。「当社は従業員らに対し、最高の倫理基準と法令の遵守を求めている。本件には2人の非幹部レベルの社員と2人の派遣社員が関わっていたが、当社は既に彼らとの雇用関係を終了している。パロアルトネットワークスは、本件に関し一切の責任を問われる立場にないが、捜査には全面的に協力していく」

パロアルトネットワークスはハッカーの侵入から企業を守る、次世代のファイアーウォールをアピールしている。また、皮肉なことに同社は、内部データの持ち出しを防ぐテクノロジーも提供中だ。

「企業のインサイダーが内部情報を利用し、不正な利益をあげる行為は決して許されない。金融市場の健全性を維持するためには、企業の幹部からIT部門のスタッフまで、全社員が法令を遵守することが必須だ」と連邦検事のDavid Andersonは述べた。

「当局はこれらの容疑者の逮捕により、株式市場の健全性や公正な取引を脅かす行為を一切容認しないことを示した」と、FBIで捜査を担当したJack Bennettは述べた。

編集=上田裕資

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