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杉山真理子(執行役員 セールスフォース イノベーションセンター長)〈左〉と、坂内明子(カスタマーサクセス統括本部 サクセスプログラム部長)〈右〉

各国の男女格差の大きさを調査した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」が世界121位(2019年、世界経済フォーラム/WEF調べ)の日本。ウーマノミクスが叫ばれて久しいが、国の成果はあまりに心もとない。しかし、ある企業の努力は着実に実を結び始めている──。

「平等」を価値観のひとつとして掲げ、女性のエンパワーメントに真摯に取り組んできたセールスフォース・ドットコム。

顧客関係管理(CRM)のクラウドサービスを提供する同社は、360度視点で企業と顧客をつなぐイノベーションを提供し、2011年に始まった米Forbes誌の「Most Innovative Company(世界で最も革新的な企業)」ランキングでは、毎年トップ3以内にランクイン。昨年は、GPTW Japanの「働きがいのある会社」大企業部門でも1位を獲得した。

快進撃の背景には、セールスフォース・ドットコムが独自のコアバリューを守り、実施してきたことが挙げられる。Trust(信頼)、Customer Success(カスタマーサクセス)、Innovation(イノベーション)、Equality(平等)──。この4つの価値観のなかで、社員が働きがいを感じる源泉ともなっているのが「平等」だ。

平等のマインドを共有する

「平等」はセールスフォース・ドットコムのDNAのひとつ、と話すのは、セールスフォース イノベーションセンター長で社内の女性ネットワークも率いる杉山真理子だ。「多様な人材がいれば、多角的な意見が出てくるので、よりよいサービスにつながる、ということがまず基本にあります。女性やLGBTQ、障害者など、マイノリティにとって公平な職場をつくることは重要ですが、それだけではない。平等な社会そのものを目指しているのです」


サブリーダーが男女合わせ20名ほどいるという、日本法人の「Women’s Network」を束ねる杉山

民間の企業としてはユニークなこうした価値観は、CEOのマーク・ベニオフが根付かせた「Ohana(オハナ)」というコンセプトに支えられている。ハワイ語で“家族”を意味するこの言葉を借りて、社員のみならず顧客やパートナー、そして地域と、家族のようにつながり合い、社会全体をよくしていこう、というアイデアを浸透させてきたのだ。ベニオフ直下には、Chief Equality Officer(最高平等責任者)が据えられ、社会の多様性を反映させた平等な職場づくりや、自社テクノロジーの人道性について指揮を執っている。

急成長によって同社には新たな社員が年々増えつつあるが、企業文化の徹底には並々ならぬ力を注ぐ。対象となるのは、研修プログラムで学ぶ新入社員ばかりではない。従業員は毎年全員、全世界共通の自社紹介のプレゼンを課せられ、テストされるというのだ。そこでは製品はもちろんのこと、4つのコアバリュー、つまり平等についても話せなければならない。

「平等については、ここ4年で取り組んできた男女の賃金格差の是正。あるいはボランティア活動、環境、教育普及にもコミットしている、という内容を全社員が喋ります」

さまざまな働き方を支える土壌


では具体的に、女性にとっての働きやすさはどこにあるのだろうか。

まず、在宅テレワークが認められている。自社のクラウドプラットフォームを業務でも活用しているため、取り入れやすいのだ。子育て世代で週1~2日在宅勤務する坂内明子は、こう説明する。「社内SNSで常にやりとりをして、関係者はそのプロセスを見られるので、透過性が高いのです。それに共有の重要性を叩き込まれているので、リモートでも支障なく情報交換ができています」。

またセールスフォース・ドットコムには、独自の目標管理手法「V2MOM」がある。Vision (ビジョン)、Values(価値)、Methods(方法)、Obstacles(障害)、Measures (基準)で構成される「V2MOM」は、毎年、まず経営トップが明示する。それをもとに全社員が各自の「V2MOM」を作成し、社内ですべて公開するというもの。この仕組みによって、成果は労働時間で換算するのではなく、「V2MOM」の達成度によって評価できるようになる。

「テクノロジーと文化が合わさり、女性にとっても働きやすい環境になっていると思います。弊社では、長時間労働=仕事をしている、とはならないのです」と坂内は言う。


テクノロジーや評価制度のおかげで時間に縛られずに仕事がしやすい、と言う坂内は、マネージャーとして「1on1ミーティングで部下との密なコミュニケーションも重視している」とも

前述の女性ネットワークの活動も、女性の働きやすさを支えるひとつだ。米国本社の女性たちが10年前にボトムアップで始めた社内サークルで、日本法人でも部署を超えて社員がつながり、女性のキャリアや働き方を話し合っている。また、イベントを行うときは国の境がなくなることも。乳がん啓発運動のピンクリボン月間には、各国の女性社員たちが「大勢でピンクのTシャツを着て、写真を撮り、SNSでシェアしていました」と杉山は楽しそうに話す。日本では、当事者の社員が闘病体験を語るトークイベントも行ったという。「就業時間中だったのですが、リモートも含め、150人ほど参加してくれました。男性も多くて、女性のテーマでありながら、身近に感じてもらう機会になったようです」



コミュニティに広がる女性エンパワーメントの輪

セールスフォース・ドットコムが目指す女性のエンパワーメントは、社内にとどまらない。Salesforceの操作を学べる無料の学習ツール「Trailhead」を提供しているのは、その一環だ。「テクノロジーを通じて機会の均等を促すことも、セールスフォースが重視する平等」なのだ。Salesforceは、例えばエクセルを使えるような人なら、ITのバックグラウンドがなくてもすぐに習得できる。コミュニティマーケティングを担う坂内は、Salesforceの管理者として、成功した女性たちにも数多く出会ってきた。

「人手の足りない企業では、Salesforceのシステム管理を、営業アシスタントや派遣の女性に任せることがよくあるのですが、Salesforceの導入は、実は業務自体を改革すること。その責務を負う担当者の女性にとっては、キャリアアップのチャンスになるのです」

Salesforceを通じてキャリアを発展させた、ロールモデルとなるような女性がいる。昨年、1万2千人が来場したセールスフォース・ドットコムのイベント「World Tour Tokyo」で壇上に上がり、「Salesforceは私の人生を豊かにしてくれたきっかけ」と語った新美啓子だ。新美にとって、何よりSalesforceのユーザコミュニティとの出会いが、女性として働くことへの考え方を深め、自身の仕事や活動を変えていくことにもなった。


Salesforce MVP 新美啓子 (株式会社ユー・エス・イー)各企業で業務やビジネスを革新するSalesforceユーザは、「Trailblazer(先駆者)」としてセールスフォース・ドットコムから讃えられる。そのTrailblazerパーカーを着て

大学でロボット工学を学び、SEとして新卒入社したあと、6年目に営業部へ異動。そこでSalesforceに初めて触れる。エンジニアだった新美にとって、コードを組まずにシステムをつくれることが新鮮だった。スキルを上げたい一心で、2012年、当時は40代男性ばかりだったというユーザ会に飛び込む。数多くのアドバイスをもらい、会社の枠組みを超え個人として支えてくれるコミュニティの人々に、自分も何かお返しがしたいと考えるようになったという。そんな頃に、女性グループの発足会に誘われた。

「素敵な女性たちに出会えたのですが、子育てや日々の仕事に忙しい方ばかりでリーダーが決まらない。私は最年少でしたが、皆さんとつながって、女性が働き続けるためにどうするべきかを模索したいと考え、リーダーに立候補したのです」

活動を通じて、女性の働き方に関心を深めていった新美は、人事部への異動を自ら希望し、いま、Salesforceを使って人事採用の可能性を広げようとしている。さらにSalesforceユーザコミュニティでも、新たなグループ「Japan Women in Tech」を二人の女性とともに立ち上げたところだ。

「自分をステップアップさせていくために、『Japan Women In Tech』に参加して、さまざまなキャリアの積み方や、自分の進みたい方向性を知ってもらう機会にしてほしいです」

Salesforceのコミュニティは、管理者から開発者、経営層まで、システムをつくる側と使う側が一堂に集い、サポートし合うことが特徴的だ。テクニカルな課題解決はコミュニティの強みだが、そのなかで新美たちのグループは、女性のキャリアに目を向け、さまざまな業種やスキルをもつ女性同士が出会える場を提供する。

セールスフォース・ドットコムと、顧客企業やパートナーで形成されるSalesforceエコノミーは、2019年から2024年にかけて全世界で420万、日本では20万の新規雇用を創出すると、IDC社は予測する。そのうち、各企業でシステム管理者として就業する48%は、女性だと見込まれている。

女性たちを経済圏に取り込むSalesforce。ポジティブなマインドと仕事を循環させるそのエコシステムが、いま日本にも広がりつつある。

Promoted by セールスフォース / text by Madoka Takashiro / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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