テクノロジー

2019.12.27 08:30

「現実的な空飛ぶタクシー」目指すSkyryse、累計42億円を調達


今から10年前、USエアウェイズは、鳥を吸い込んで両方のエンジンが停止したエアバスA320型機をハドソン川に不時着水させる事故を起こした。この時、パイロットらはチェックリストを確認し、問題を突き止めるまでにしばらく時間を要したとGrodenは指摘する。

「操縦士らが我々のシステムを使っていたら、ハドソン川ではなく、ニュージャージー州のテターボロ空港に着陸することができただろう」と彼は話す。

Skyryseは、ヘリパッド向けに2.5秒ごとに30データポイントを取集する監視システムも開発した。これにより、パイロットが離発着を行う上で、より最適なアプローチを選ぶことを可能にする。

Grodenによると、多くのヘリパッドには吹き流ししか設置されておらず、パイロットはアプローチを決めるために低高度で旋回し、近隣の住民から苦情が出たり、交通渋滞を巻き起こしているという。

配車サービスとの連携視野に

Skyryseは今夏、ロサンゼルスとオレンジカウンティの間で輸送サービスのテストを行った。ユーザーはスマホアプリを使って予約をし、配車サービスでヘリポートに移動後、Skyryseのヘリコプターに乗り、着陸後は目的地まで再び配車サービスで移動した。費用は1トリップ当たり149ドルだ。

Skyryseのテクノロジーが完成すれば、ヘリコプター輸送は自動車に匹敵する経済性を実現できるという。「将来的に自動車はヘリコプターに乗るまでと、下りてから目的地までの移動手段になるだろう」と彼は話す。

しかし、垂直離着陸はエネルギーを大量に消費し、水平飛行では旅客機の方が効率的だ。このため、ヘリコプター輸送はコストが高く、これまで苦戦を強いられてきた。

Grodenは、ヘリコプター輸送を変革することをアピールし、大手投資家から資金を調達することに成功した。2018年のシリーズAラウンドでは、VenRockやEclipse Partnersなどから2500万ドルを調達した。

Grodenによると、様々な工夫によりコストを引き下げることが可能だという。例えば、Skyryse が現在、採用しているRobinson R-44のようなシングルエンジンのヘリコプターは、曇りの日でも飛行できるための高価な器具を搭載していない。このため、気候の良いロサンゼルスでも、ヘリコプターが飛行できない日の割合が22%もある。

「これは顧客にとっても、我々にとっても都合が悪い。我々の固定費は、限られた飛行時間で分配されるため、1トリップ当たりのコストが高くなってしまう」とGrodenは言い、Skyryseは今後あらゆる天候でも飛行できることを目指していくという。

「我々のテクノロジーを搭載すれば、天候に関わらず乗客を輸送することができ、1トリップ当たりの経済性を格段に改善することができると確信している」とGrodenは語った。

編集=上田裕資

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