世界で最も稼ぐ作家、再びJ・K・ローリングに 年収100億円超

J・K・ローリング(Photo by Taylor Hill/FilmMagic)

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』はJ・K・ローリングに大きな商業的成功をもたらした。第1週目の興行収入はミュージカルを除くブロードウェー作品としては過去最高の230万ドル(約2億5000万円)に達し、トニー賞を6部門で受賞した。また、書籍の合計販売部数は280万部に到達(ローリングの年間販売部数としては少ない方だ)。さらにテーマパークや映画作品からの収入も加わり、ローリングの年収は9200万ドル(約101億円)となり、今年の「世界で最も稼ぐ作家」ランキングで首位に返り咲いた。

2位は昨年1位だったジェイムズ・パタースンで、年収は7000万ドル(約77億円)。NPDブックスキャンによると、パタースン作品の国内年間販売部数は550万部だった。ビル・クリントン元大統領と共同執筆した『The President Is Missing』(邦題『大統領失踪』)は、2018年に最も売れたアダルトフィクション小説となった。パタースンは現在も最も裕福な米作家であり、昨年の推定保有資産額は8億ドル(約880億円)だった。

3位はミシェル・オバマ前大統領夫人の年収3600万ドル(約39億円)。オバマ夫妻は2017年、ペンギン・ランダムハウスから書籍2冊の前払金として共同で6500万ドル(約71億円)を受け取ったとされる。これは大統領の回顧録としては異例の金額だ。バラク・オバマ前大統領の書籍はまだ発売されていないが、ミシェル夫人の書籍の成功をみるに、この破格の前払金に見合う売り上げをもたらしそうだ。

ミシェル夫人の回顧録『Becoming』(邦題『マイ・ストーリー』)は、ランキング対象期間で1000万部以上を売り上げ、2018年も終わりに近い11月に発売されたにもかかわらず、同年最も売れた書籍となった。10都市を回るブックツアーではロックスターばりにアリーナを観客で埋め、チケット売り上げによってさらなる収入を手にした。

4位は多くの人に愛される『Diary of a Wimpy Kid』(邦題『グレッグのダメ日記』)シリーズを著したジェフ・キニーで、年収は2000万ドル(約22億円)だった。シリーズ14作目は今年11月に出版されている。

スティーヴン・キングは昨年、自身の小説を映画化した『IT』のヒットにより巨額を稼いで3位に入っていたが、今年の年収は前年比100万ドル減の1700万ドル(約19億円)となり、5位に後退した。

以下は今年の「世界で最も稼ぐ作家」ランキング。金額は2018年6月1日~2019年6月1日の推定年収額で、税金やエージェント・マネジャー・弁護士費用が差し引かれる前のもの。推定に当たっては、NPDブックスキャン、ボックス・オフィス・モジョ、ポールスター・プロからのデータのほか、業界関係者や作家本人へのインタビューの内容も加味した。

1位 J・K・ローリング/9200万ドル
2位 ジェイムズ・パタースン/7000万ドル
3位 ミシェル・オバマ/3600万ドル
4位 ジェフ・キニー/2000万ドル
5位 スティーヴン・キング/1700万ドル

翻訳・編集=遠藤宗生 By Hayley C. Cuccinello and Ariel Shapiro

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