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今年のクリスマス商戦、小売店はさまざまな意味で、八方ふさがり的な状況にある。

オンラインで商品を購入する消費者の数はかつてないほどに増えているが、それは概して、利益幅の縮小を意味する。また、クリスマスの時期にプレゼントをもらう人の圧倒的多数は、少なくともその一部を返品するつもりであるため、小売店の利益はさらに減ってしまう。きわめつけは、商品を返品する多くの消費者は、返品手続きに不満を抱いており、それが消費者を遠ざけることになりかねない。まさに追い詰められた状況だ。

2019年9月にオラクルが発表した報告書によると、消費者の77%が、もらったプレゼントの一部を返品するつもりだと回答した。そう答えた人の20%は、少なくとも半分のプレゼントを返品すると答えている。

小売店に言わせれば、商品の返品量が増えていることは今に始まったことではない。オンラインで販売されるアパレルやフットウェア部門においては、その傾向が顕著だ。

消費者心理の専門家キット・ヤーロウ(Kit Yarrow)はCNBCに対し、「消費者は、小売店にお金を払ったとしても、商品を手元に置くと約束をしたわけではない」と述べる。「ものの所有については、まったく異なった考え方をしている」

「贈り物を返品したり交換したりするのは問題ない行為だと消費者が考えていることは明らかだ」とヤーロウは言う。

小売業専門メディア「リテールワイヤー(RetailWire)」のディスカッションページ「BrainTrust」に寄せられた意見を見ると、とりわけeコマースをめぐるこうした消費者心理は、ビジネスを行う上ではやむを得ない要素になったと考えている専門家が多いようだ。

トラフィックデータ専門企業「ヘッドカウント(HeadCount)」の最高経営責任者(CEO)マーク・リスキ(Mark Ryski)はBrainTrustで、「カテゴリーを問わず、商品を無料で返品できると消費者は考えるようになった。従って、競合他社が進んで返品無料サービスを提供している場合は、この特典を消費者から取り上げる簡単な方法はないと思う」というコメントを投稿している。

市場情報企業「RSRリサーチ」プリンシパルで、フォーブスのコントリビューターでもあるポーラ・ローゼンブラム(Paula Rosenblum)はBrainTrustで、「率直に言うと、返品はD2C(Direct to Consumer)ビジネスにとってコストの一部だ」と述べている。

「そのコストを回避する方法はなさそうだ」とローゼンブラムは述べる。「実際には、返品システムは試着室代わりになっている。試しに着てみて、気に入ればそのまま手元に置くし、気に入らなかったら送り返す。自分が実店舗に買い物に行ったときに、店内で試着して買わなかった衣類がどのくらいあるかを考えてみてほしい。それがオンライン上で起こっている。ただし、オンラインのほうが少しタチが悪い。店内で試着室に持っていくだけなら、商品が汚れたりしわになったりすることはない。けれども、商品が消費者に配送され返送されてくるまでのあいだには、汚れやしわがついてしまうことがある」

全米小売業協会(NRF)の統計によると、全体的には、購入された商品の11%が返品されている。返品されたケースのうち、8%は詐欺的行為によるものだ。

データ分析企業「Appriss(アプリス)」が実施した調査によると、2018年のクリスマスシーズン中に、小売店は返品詐欺によって65億ドルもの損失を被った。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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