グレタ・トゥンベリが白人の高齢男性をいら立たせる理由

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そうした怒りを持つトランプは、(1952年から放送され)人気のあったテレビドラマ『陽気なネルソン(The Adventures of Ozzie & Harriet)』はすでに再放送されているにすぎないことを理解できず、憤慨している老人と同じだ。トゥンベリに対する中傷は、そうした心理を表している。

タイム誌は、トゥンベリが現在の人間と地球の関係に警鐘を鳴らし、私たち全員に将来の世界がどうなっているのかを気づかせてくれたと称賛している。こうしたなかで朗報と言えるのは、トゥンベリが何百万人もの“ミレニアル世代”を率いているということだ。その点でいえば、将来には希望がある。

若者たちはこれから、未来の仕事、そして新エネルギー経済に向けての準備を整えようとするだろう。それは、各国政府の気候変動問題への取り組みを確実に後押しすることになる。

変化が起きれば、経済的な混乱が起きるのは確実だ。そのなかで何かを“懇願”をするのは、時代の変化によって最大の影響を受ける人たちだ。そして、その懇願は進歩を妨げるためではなく、変化に適応するための助けを求める行動であり、理解できるものだ。

また、変化と混乱のなかでは、人々の不安を食い物にするポピュリスト(大衆主義)の政治家が誰であるかが明らかになり、一方で大胆かつ斬新なアイデアを推進しようとする政治家が称賛される。見識のあるリーダーたちは、最も創造力に富んだ仕事は巨大な煙突と切り離せない産業ではなく、21世紀の「力強さ」である環境に優しいエネルギーやデジタルテクノロジーと結びついたものであることを知っている。

トゥンベリは今の年齢ですでに、そのことを理解している──問題は、石炭王国とアパラチアの人々が、そのことを受け入れられるかどうかだ。

編集=木内涼子

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