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不思議に思う人も多いかもしれないが、「世界の滅亡」という万が一の事態を想定して、あれこれ備えている人はたくさんいる。それは、来たるべきアルマゲドンに備える「プレッパー(準備する人)」たちのコミュニティーに限らない。もっと日常的なレベルで備える人たちもいる。

メディアが、心をかき乱すようなお先真っ暗の悲惨なニュースを流し続けている以上、最悪の事態を思い描くのも無理はない。絶えず流れ続ける悲惨なニュースを見聞きしながら、そこには何も警告はないと思えるとしたら、鈍感で神経が丈夫で図太く、底抜けに能天気な人間であることが必要だろう。

たとえ地球温暖化による悪影響が私たちに及ばなくとも、小惑星が地球に衝突しなくとも、シベリアの永久凍土から溶け出した病原菌で人類が苦しめられることがなくとも、アメリカで内戦が起きたり、ドルが暴落したり、原油が枯渇したり、海中の酸素濃度がゼロになったりするかもしれない。上位1%の富裕層や、アメリカと世界各国の困った政治家たち、テロリスト、放射性物質をまき散らすダーティボム、あるいはキリストの再臨それ自体で、世界が破滅に追い込まれるかもしれない。

不安を覚える人々に対して、慰めや安心感を与えようとする怪しげな企業が山ほどあるのは当然のことなのだ。

「4人家族が1年間暮らしていけるサバイバル用の食料が、わずか5000ドルで手に入る」と宣伝する企業もある。

ただし、「世界の終わり」をそこまで深刻にとらえている人は、それほど多いわけではない。それに、都会に住む人には、収納スペースの確保という厄介な問題がある。1年分の食料を手元に置いておくには、客用の寝室や、家中のあらゆる棚やクローゼットを明け渡さなくてはならないかもしれない。従って、多くの人にとっての解決策は、靴下のなかに金貨を隠しておくことだ。伝染病を運んでくる小惑星が地球に衝突したあと、暴徒が荒しまわる世界で災難を逃れる唯一の手段として。

残念ながら、これはまずい勘違いだ。第2次世界大戦の最中には、悲しい出来事が多数発生している。一部の人がとても心配しているような「最悪の事態」が起きた場合、金貨があれば石鹸のひとつぐらいは買えるかもしれないが、何ひとつ買えない可能性もある。

極限状態になったら、金貨はあまり役に立たない。

最悪の事態を見据えて何らかの準備をしておくつもりなら、深刻さをレベル別に分けて検討する必要がある。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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