今回は、多くの環境問題に対して先進的な取り組みをしているデンマークで参加した企業向けのSDGsのセミナーと、それを日本で展開してみた経験をレポートしてみたい。
子供が通う小学校の教室にもSDGsのポスターが貼ってあった。
SDGsを「ツール」として使う
先日、The confederation of Danish Industry(DI)主催のデンマークの企業向けのSDGsのセミナー「DI Rådgivnerne årsdag」がコペンハーゲンで行なわれた。DIとはデンマーク最大の産業連盟で、製造、サービス、輸送、エネルギー、ITなど多くの業界から、スタートアップから大企業まで約11000の企業が参加している。
今回は、それら企業のマネジメントレベルの人を対象としたセミナーで、50社超が参加。SDGsをどのよう各企業の理念に取り込んでいくのか、また、いかにクライアントとの関係構築ツールとして使っていくのかといったテーマについて、CEO、大学教授、弁護士など様々な人からプレゼンテーションがあった。
セミナーの行われたDI Husetのアトリウム
小さいけれど着実な一歩を大事にする
多くの企業の話を聞いていて印象的だったのが、それが実践的であることだ。どの企業もSDGsのために何か新しいことに取り組んでいるのではなく、今まで自分たちの行ってきたプロジェクトがいかにSDGsに貢献できていたかを再度見返して、企業の方針を再確認しているようにみえた。
また、小さなことやできることからでも、少しずつでも取り組んでいくことが推奨されていた。これはSDGsという高い目標を一度自分たちの目線のレベルまで下げ、社内で分かりやすく、かつ明解に共有していくために取り組んでいるように思えた。大きな夢のために、大きな一歩よりも、小さいけれど着実な一歩を重ねていくように。