──デジタルトランスフォーメーションはどの会社も苦労していますが、成功のポイントは?
社内全員が同じ方向に向けるように巻き込む力がないとデジタル担当は難しく、巻き込む力が必要と感じています。SEMベンダー、SEOベンダーなど様々なパートナーを1チームとして迎えて、それぞれの専門家が社内・外関係なく一緒にやる。これは成功に重要な要因です。トレンドや最先端情報を彼らが入手して、それを土台に社内を啓蒙する。
トップの関与、リスク管理も重要です。トップの関与は一番重要ですが、もしトップが協力的ではない場合は、周囲を巻き込み、全社員がこの方向にあることを見せるというやり方もあります。
リスク管理も必要です。あやしいところに広告が出てしまうことはブランドにリスクです。どのようなクリエイティブを作り、どこに出るのかを管理できる必要があります。顧客情報の流出も大きなダメージで、会社に損害を生むことになります。
──ECとリアル(店舗など)の売り上げの比率は今後どうなっていくと予想していますか?
ECにかなりのチャンスがあると思っていますが、各チャネルで売り上げを見るというよりも、デジタルトランスフォーメーションの中で全体最適化を考えたいので、すべてのタッチポイントで、ライフタイムバリューを上げていくという視点で取り組みを進めます。
デジタルとリアルで売り上げを奪い合ったり、ITとデジタルが対立するようなことがないように、私はデジタル、デジタル以外のマーケティング、ITも見ています。
──女性で幹部、しかも最高デジタル責任者という存在は日本では珍しいとも言えます。これまでの学びはありますか?
会社の多くが男性のところは多く、年齢がそれほど上ではない場合はディレクター全員で話す時でも自分の意見が採用されにくい、あるいは軽視される経験があります。
そこを打破していくことが必要だと感じています。打破する武器は数字や結果です。結果をだすと必ずみんな振り向いてくれる。そこで想いを一緒にしてやっていくと、徐々にみんな振り向いてくれます。それを進めることが重要だと思っています。