ビジネス

2019.12.20

ゴディバ、創業93年目の挑戦。最高デジタル責任者に聞く「戦略の全貌」


──ゴディバ社内のデジタルトランスフォーメーションも担当されています。シェフがチョコレートを手作りするなど、デジタルとは正反対の部分がゴディバの魅力につながっていますが、デジタルに対する社内の反応はどうですか?

これまで、アマゾンジャパン、日本ロレアル、ジョンソン・エンド・ジョンソンでデジタルトランスフォーメーションを進めた経験があります。

ゴディバはデジタルという点では弱い。これはいいことでも、課題でもあります。クラフトマンシップから始まった会社で、マニュアルがあり、リテールと商品力を強みとしてやってきたので無理もありません。社員のデジタルリテラシーは決して高くないし、ITやシステムに弱いところがあります。

これまでの会社でも同じことをやりましたが、デジタルリテラシーが高くない会社は最初に教育をして、全員のリテラシーをあげる必要があります。それなしにデジタルトランスフォーメーションは成立しません。

ゴディバのいいところは、社長を含めて純粋にデジタルに興味を持って飛びついてくれるところです。その通りにやってみよう、という雰囲気が生まれています。これは驚きでした。



──背景には、社内に危機感があったのでしょうか?

危機感というよりも、デジタルを活路に感じているように見えます。

ゴディバはブランド認知が90%以上あり、販路も十分にあり、エンゲージも高い。プレミアムブランドのクオリティもある。認知が40%ぐらいなら、もう少し認知を上げてエンゲージを高めよう、となりますが、これ以上どうやってどうやって伸ばすのかという難しいところになってくる。そこで、デジタルトランスフォーメーションをやろう、という流れです。

デジタルトランスフォーメーションにより、これまでは過去のデータから予測して売っていたものを、未来を予測できるようにデータをトラックできるようになります。このデータを商品開発に役立てることができるでしょう。

このように、デジタルトランスフォーメーションをやることはさらなる価値をもたらすとディレクター含めて理解していただいているので、スピーディーに進めることができそうです。
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文・文中写真=末岡洋子

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