ビジネス

2019.12.20

ゴディバ、創業93年目の挑戦。最高デジタル責任者に聞く「戦略の全貌」

1926年に創業したゴディバは今、大きな変革期にある。6月に新体制となり、ゴディバ ジャパンが本社機能を持つようになったのだ。そのタイミングで重要な柱に据えたのがデジタルだ。歴史が魅力の高級チョコレートブランドのデジタル戦略はどのようなものか? 

ゴディバ初の最高デジタル責任者に就任したのが宮野淳子氏だ。マーケティングコミュニケーション & デジタル / ITトランスフォーメーション統括本部長も兼任する宮野氏に話を聞いた。

顧客がいつ幸せで、いつ何を求めているかを理解する

──6月に新しい体制となりました。そこでデジタルはどのような位置を占めるのですか?

6月3日にMBK Partnersが株主になり、ゴディバ ジャパンが本社機能を持つようになりました。その下に韓国、オーストラリアやニュージーランド、ベルギーにある工場が入るという外資系では珍しい形をとります。

私はそのタイミングで入社しました。最高デジタル責任者という役割で、最初にブランド戦略を日本として立て、マーケティングコミュニケーション戦略を立て、それにのっとってデジタルでどう実現するかのデジタル戦略を立てました。

ゴディバ ジャパンのミッションは、"Memorable Occasions of Happiness"です。お客様はそれぞれ幸せを感じるタイミングが異なり、何をもって幸せと感じるかも異なります。データを追跡できるデジタルは、それぞれのお客様がいつ幸せで、いつ何を求めているかを理解する支援をしてくれます。その上でコミュニケーションやサービスを提供することができます。

我々は、シェフがお客様の前で作る、ゴディバの世界観を表現する「Atelier de Godiva」を日本に3カ所もち、百貨店やショッピングモールに店舗を約300店構えています。自分用に買うコンビニも販路に持ち、ECとしてオンラインでも購入できます。また、新しくGodiva Cafeもスタートしました。Godiva Cafeはニューヨークに第1号をオープンさせ、2020年秋より日本でも開店を予定しています。

このようにチャネルは多数ありますが、それぞれのタッチポイントでどのようなエクスペリエンスを求めているのかもお客様により異なります。それを把握して、ゴディバならではのサービスを拡充して提供していくことを考えています。
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文・文中写真=末岡洋子

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