特許関連サイトのPatentlyAppleは、アップルが新型のTouch IDの導入に関わる特許を取得したことを報じた。同社はディスプレイ下部に搭載する新型の光学センサーを、次のように説明している。
「ディスプレイの下部に、ハウジングに格納した光学センサーを搭載する。光学センサーはユーザーの指紋を読み取り、そのデータが登録された指紋データと同一であるかを判定する。同一性の判断はコントローラーが担い、端末のメモリ内に貯蔵された指紋データと、センサーが取得したデータの照合を行う」
しかし、ここで説明された技術が衝撃的なものかどうかと問われたら、答はノーだ。光学センサーによる指紋の照合は新しいものではなく、アップルは1年以上前からディスプレイ内蔵型Touch IDの特許資料を提出している。さらに、ブルームバーグなどの大手メディアも既に、来年のiPhone 12がこのテクノロジーを搭載すると報じていた。
それにしてもアップルはなぜ、顔認証のFace IDに加え、指紋認証のTouch IDを最新端末に送り込もうとしているのだろう? 理由の一つは、Face IDとTouch IDがお互いを補完するからだ。例えばマスクをしている場合、顔認証は使えないが指紋認証なら大丈夫だ。
しかし、最大のメリットは2つの認証を組み合わせた場合、非常に強固なセキュリティを実現できる点だ。銀行のアプリなどでは特に、顔認証と指紋認証の組み合わせが威力を発揮しそうだ。アップルは以前から、将来的にiPhoneがパスポートを置き換えるデジタルIDツールになることを目指しており、Face ID とTouch IDの組み合わせでその目標に一歩近づくことになる。
ただし、ここまで述べてきた内容は、来年のiPhone 12の機能のごく一部に過ぎない。iPhone 12のディスプレイは描画性能を高めた120HzのProMotionディスプレイになり、カメラは3D対応になり、Lightningポートの廃止も期待できそうだ。
2020年の最新端末で、アップルがiPhoneを次のレベルに引き上げることは確実だ。もう一つ気になるのは、来年のiPhone 12シリーズには4G対応と5G対応の2つのラインが用意され、合計6機種がリリースされるとの情報だが、これに関しては続報を待ちたい。