死闘!マツダ・ロードスター、4時間耐久レース


そしてちょうどレースが終わる5分前、数台のマシンがスローダウンしてガス欠で止まってしまうなか、山田選手は間違って黄旗で他のレースカーを追い越してしまった。黄旗で他のマシンを抜いてはならないので、ドライブスルーのペナルティーを受けることに。ペナルティーを消化してコースに戻り、最終ラップに突入。

すると大変! フィニッシュから400mのところで走行中の山田選手から、「ノー・パワー」との無線が入る。突然、“ガス欠”になったのだ。でも、幸いにも速度が100kmも出ていたので、ギアをニュートラルに入れ、クルマの勢いだけでフィニッシュラインまで転がせた。結局、ゴールを超えたときは、30kmぐらいしか出ていなかった。それでも驚いたことに、僕らは8位でゴールできた。これも、ドライブスルーのペナルティーがあったおかげだった。

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途中でハプニングはあったものの、国際色豊かな“夢チーム”は8位の好成績でフィニッシュ

僕らのチームのゼッケン番号2番が掲示板で光っているのを見たときに思った。ロードスターの走りの楽しさ、1.5lエンジンの燃費のよさを試すのに、この耐久レースほど、効果的なイベントはない。

体力と運動神経が許す限り、僕はこのレースに参加し続けたいと思う。


ピーター・ライオン◎モータージャーナリスト。西オーストラリア州大学政治学部 日本研究科卒。1983年に奨学生として慶應義塾大学に留学。Forbes、Car and Drive(r 米)、Auto Express(英)、Quattroruote(伊)などへ寄稿多数。ワールド・カー・アワード賞会長のほか、日本カー・オブ・ザ・イヤー賞選考委員を務めている。

文・写真=ピーター・ライオン

この記事は 「Forbes JAPAN 「スポーツ × ビジネス」は、アイデアの宝庫だ!12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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