ライフスタイル

2019.12.22 11:30

アメリカ人の国民食、フライドポテトがこの冬足りなくなる?


ちなみに同ランキングのトップ3は、ファイブ・ガイズ、マクドナルド、デル・タコの順だ。一方、ワースト3はイン・アンド・アウト、ソニック、ラリーズの順で、いずれも日本には進出していない。

ベスト1のファイブ・ガイズのポテトは、ピーナッツオイルで揚げることによって、他の多くのものよりもマイルドな味がするらしい。なるほどと筆者は納得した。

また、最下位のイン・アンド・アウトは、とにかくハンバーガーが絶大な支持を得ているので、当然フライドポテトの調理量も膨大で、常に揚げたてが食べられることに高得点を得ていながら、それでも1本1本がマッチ棒のような形状では、どんなにケチャップや塩をつけたって味覚はどうにもならないと手厳しい。

ファーストフードの「ホッチキス」

アメリカは、どこの国よりも幅広くエスニックフードを取り入れ、ローカライズし、多くの食事を提供している国である一方、ハンバーガーに対する「純愛」はますます募り、その種類は増えるばかりだ。毎年多くの新種バーガーが開発され、ますます競争が激化する。ところがそういう状況でも、ポテトがまずいという理由で、その店を敬遠する人もいる。

あるいは、ファストフードチェーンではないが、かつてこのコラムでも紹介したように、ポテトのおかわりを無料で出してくれるレッド・ロビンのようなレストランは、それだけで外食選択肢の中でランキングが上がることもある。

先のロサンゼルス・タイムズが、フライドポテトをファストフードの「ホッチキス」と評したが、言い得て妙だ。ポテトが提供されてこその、ずっと続くハンバーガーブームと思うべきなのだろう。全米に5万店舗で7兆3000億円の業界規模を誇るハンバーガービジネスも、ポテトに支えられてのものだ。

さて、かく言う筆者も、フライドポテトが食べられなくなると聞いてからなにかと落ち着かない。幼少の頃、東京に初めてマクドナルドが上陸して以来、ハンバーガーとフライドポテトとコーラのコンビネーションは、「外せない黄金パターンの1つ」だったからだ。今回の騒動は、自らのフライドポテト愛を確認した出来事でもあった。

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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文=長野慶太

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