彼はウーバーの株式の自身の持ち分の90%以上にあたる、9000万株以上を11月6日のロックアップ期間終了後に売却した(ロックアップとは、IPO後の企業の経営者や役員らの持ち株の放出に一定の期間、制限をかける制度)。
過去6週間でカラニックが売却した株式の総額は、約25億ドルに達した。この金額には彼がチャリタブル・リマインダー・トラスト(慈善信託)に設定した6億ドル分が含まれている。
フォーブスは彼の保有資産を現在、約27億ドルと試算しているが、10月上旬に発表した「フォーブス400」でカラニックの資産は35億ドルとされていた。彼の資産の大半は、今ではウーバーの株式以外になった。
フォーブスは、慈善信託をビリオネアの保有資産に計上していない。なぜなら慈善信託は、期間満了時に残余資産を慈善団体に寄付するものだからだ。
企業の役員会メンバーが短期間にこれほど大量の株式を売却するケースは、ピーター・ティールなどの一部の例外を除くと非常に稀だ(ティールは現在もフェイスブックの役員だが、持ち分の大半を売却した)。一方、現ウーバーCEOのダラ・コスロシャヒや独立議長を務めるロナルド・シュガーらは11月以降にウーバー株を購入している。
ウーバーの共同創業者のギャレット・キャンプも約5000万ドル相当のウーバー株を売却し、800万株(約2億2500万ドル相当)を匿名の第三者に譲渡している。フォーブスはキャンプにコメントを求めたが回答は得られていない。
ここで気になるのは、カラニックが持ち株の全てを売却するかどうかだ。このペースで売却を進めた場合、来週の終わりには彼は一切のウーバー株を保有していない状態になる。
カラニックの代理人はコメントを避けており、ウーバーからも回答は得られていない。今年5月にウーバーは上場したが、株価は冴えない状態が続いている。ウーバーの株価は現在30ドル付近で、IPO価格の45ドルを大幅に下回っている。