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フィンテックと総称されるテクノロジーを活用し、金融分野に新たな顧客を呼び込んでいるのは、新興のスタートアップ企業に限らないことが証明された。米国の最大手銀行の1つに数えられる「バンク・オブ・アメリカ」の音声アシスタント「エリカ(Erica)」は今や、1000万人以上に利用されている。

2018年6月に始動したエリカの累計処理件数は、あと数週間で1億件を突破する見通しだ。

「エリカは新時代のパーソナライズされた銀行サービスを象徴する存在となった」とバンク・オブ・アメリカのデジタル部門を統括するDavid Tyrieは述べた。金融サービスのデジタル化で、同社はより多くの顧客の利便性を高めようとしている。

バンク・オブ・アメリカ(以下、バンカメ)は近年、モバイル重視の新たな施策を進めており、米国で2900万人のモバイルバンキング利用者を抱えている。同社はフィンテック分野で、競合のJPモルガン・チェースに勝利した。

JPモルガンはバンカメよりも1年早く、モバイルアプリの「Finn」を立ち上げたが、顧客の支持を得ることが出来ず、今年6月に終了を宣言した。Finnはミレニアル世代を主要なターゲットとしていたが、米国の若い世代は大手銀行のモバイルサービスを敬遠する傾向にある。

一方で、勢力を増しつつあるのが、手数料ゼロを打ち出すチャレンジャーバンクと呼ばれる新興企業らだ。サンフランシスコ本拠の「Chime」のアカウント数は6500万件に達し、企業価値は58億ドルとされている。Chimeのアカウント数は昨年時点ではわずか100万件だった。

大手銀行は、このままではスタートアップに顧客を奪われてしまう。バンカメは、エリカにアラート機能やリワードプログラムを追加する計画だ。新年から、エリカには最寄りの利用可能店舗をボイスで知らせる機能が加わる。さらに、重複課金が発生した場合にも警告を発するようになる。

バンカメは特に、米国の大都市圏のユーザーに、エリカの利用を促そうとしている。エリカの利用者の60%が、米国の17の主要都市の顧客だという。テネシー州メンフィスでは、同行の利用者の65%がモバイルアプリを常に利用している。アトランタやダラスでもモバイルバンキングを利用中の顧客の約30%が、エリカを利用した経験を持つという。

「エリカを初め、モバイルバンキングのリワードシステムのPreferred Rewardsなど、モバイルに特化した機能を充実させていく。顧客に最新のテクノロジーを提供していくことが、当行の目標だ」とバンカメのTyrieは述べた。

編集=上田裕資

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