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2019.12.20

日本のスポーツビジネスが世界のトレンドに近づく。UBS銀行が示した、スポーツビジネスの最前線

シティフットボールグループ・リージョナルディレクター 利重孝夫 氏

ますます高まると言われている、日本でのスポーツビジネスの熱。その鍵をにぎるのがスポーツチームを抱えるオーナー、そしてオーナーをファイナンス面で支える金融機関の存在だ。UBS銀行は2019年11月、ウェルス・マネジメント本部の富裕層顧客を対象にスポーツビジネスについてのセミナーを東京で開催した。


なぜ、UBS銀行はスポーツビジネスに着目しているのか?UBS銀行ウェルス・マネジメント本部、クライアント・ストラテジック・オフィス ディレクターの山本佳司はこう語る。

「スポーツのビジネスとしての可能性が世界中で注目されてきています。日本が、世界で起こっているこのムーブメントの例外となることは考えにくく、この動きが日本で活性化するとき、その前面に出てくるのが富裕層であることは十分に予想されます。それを見据え、当社は入手可能な最高かつ最新の情報をお客様たる富裕層にご提供したいと考えました」


UBS銀行ウェルス・マネジメント本部 クライアント・ストラテジック・オフィス ディレクター 山本佳司 氏

このセミナーでは、シティ・フットボール・ジャパン代表の利重孝夫氏が登壇し、クラブのオーナーシップや企業価値の観点からみた日本と海外のプロスポーツクラブの動向や、英プレミアリーグのマンチェスター・シティ(以下、マンC)、そして、この度15年ぶりにJ1リーグで優勝した横浜F・マリノスなどを傘下に持ち、グローバルにスポーツビジネスを展開するシティ・フットボール・グループ(以下、CFG)の事業戦略や具体的な事例について紹介があった。

下図は世界で最も企業価値の高いスポーツクラブベスト5(2018年 Forbes調べ)である。


※資料提供元:シティ・フットボール・ジャパン
 
今夏、メルカリによる鹿島アントラーズの経営権取得が発表された際、企業価値26億円相当で売買されたことについて、これまでJクラブとして最も輝かしい戦績を収めているクラブの一つとしては随分と低い評価ではないか、と話題になったことがあった。

確かに、世界で最も企業価値の高いクラブが5,000億円を超える評価を受けていることを考えると、約200倍もの差があることになる。

実は、日本と欧米でのエリートスポーツクラブのオーナーシップ形態には大きな違いが存在する。日本では、○○株式会社野球部など「企業内スポーツ」としての活動や、「企業がオーナー」であるクラブが圧倒的に多いが、欧米では、企業が所有するケースはほぼ無く、「投資家やパトロンが球団、クラブを所有する」ケースがほとんどである。

つまり、日本ではプロクラブであると言っても、まだ企業が持つ福利厚生的位置付け、コスト部門としての色彩が残っている場合が多く、収益を上げ企業価値を高めていく視点が欠けていると見なされることが少なくない。これが欧米クラブとの圧倒的な企業価値の差として表れている、と推察することが出来るのである。

日本でもようやくIT企業を中心として、プロスポーツ事業を本業の一つとして展開し始めているケースもみられるが、海外ではオーナーシップの形態が多様性に富み、経営権売買の流動性も総じて高い。

例えば、マンチェスター・ユナイテッドはニューヨーク証券取引所に上場しており、FCバルセロナは市民クラブとして、ソシオと呼ばれる個人オーナーのみで構成されているなど、クラブによって特徴が分かれている。

英プレミアリーグではグローバルな投資家も多く、マンCはUAEと中国のオーナーで、リバプールはアメリカ、チェルシーはロシア、岡崎慎司選手がかつて所属していたレスターはタイだ。そして、比較的頻繁に国際間の経営権売買の事例が生まれている。

最新のプロスポーツクラブのオーナー像について、利重氏はLos Angeles FCという米国プロサッカーリーグMLSに参画したばかりのクラブを例に挙げた。Los Angeles FCには多種多様な20数名の個人オーナーが存在する。メインのオーナーはベトナム系アメリカ人の事業家だが、マジック・ジョンソンや女子サッカーのミア・ハムといった各スポーツの歴史的プレイヤーたちをはじめ、YouTube創設者やその他の著名人によって構成されているという。

「同クラブでは、それぞれのオーナーの強みを生かす形で新規にプロジェクトを開発、資金調達を行い専用の新スタジアムを建設しています。併設する商業施設やコンベンションセンターなど、サッカークラブとしての収入だけではなく、スタジアム周辺の不動産開発も伴いながら、収益力を高め、クラブの価値を上げようとしているのです」

日本のスポーツクラブでもこれから注目すべき取り組みと言えるであろう。



CFGと横浜F・マリノスの関係性とは?

2008年にアブダビ・ユナイテッド・グループがマンCのオーナー権を取得した。2012年以降はCFGとして、NYヤンキースと合弁でニューヨーク・シティFCを創設するなど、各国リーグのクラブを傘下に収めるグローバル・フランチャイズ戦略を推進。2015年には中国のChina Media Capital (CMC)も資本参加している。

CFGでは、どのような市場環境に対する認識のもとに、グローバルサッカービジネスを展開しているのだろうか?

「現在世界の人口は80億人、そのうち中国とインドだけでほぼ3分の1を占めています。45億人が都市部に暮らし、中産階級は40億人にのぼるなかで、今後ますますモノ消費ではなく、コト消費が重視されていく。コト消費の重要な商品の一つとして、スポーツ市場は世界全体で大きく伸長していくと捉えています」

サッカーは、長い間世界一人気の高いスポーツとして発展を遂げてきたが、巨大な市場を抱えるアメリカ、中国、インドではまだナンバーワンスポーツの地位ではない。つまり、いまだビジネスとしての成長率が世界一高いスポーツでもあると、利重氏は語る。

「スポーツビジネスの戦略としてはメディア環境が激変していることにも注目しています。テレビだけではなく、ネットを通じて誰でも、どこにいてもスポーツが楽しめる環境になりました。ハイライト動画の需要がうなぎ上りになっているのもその表れですね」

CFGでの取り組みは日本におけるパートナー、横浜F・マリノスにも生かされていると、利重氏は強調する。

「親会社からの出向が基本のJリーグにおいては、市場環境の変化が激しく、競争も厳しい欧州サッカービジネスに揉まれたプロフェッショナルな集団によるサポートを通じて、横浜F・マリノスの経営陣、強化担当含む組織全体が、一貫した連続性のある戦略を立案、実施することのできる体制に進化させていくことが最も重要なミッションでした。その上で、サッカー面では、長期的視野に基づいたプレーモデルを定め、そのスタイルに合った監督の招聘、迅速かつ的確な選手補強を行うサポートを行っている。事業面においては、SAP、MUNDIPHARMA、HAYS、CISCO、MELCOといった国際的企業のスポンサー獲得を筆頭に、最新のデジタル・マーケティング、スポンサー・アクティベーションなどのベストプラクティスの共有を進めています。」



CFGは先日、米ファンドのシルバーレイクが5億ドルを投じ、10%強の株を取得することを発表した。CFG全体の評価額48億ドルというのは、スポーツクラブの価値としては過去最高の評価額と言われている。また、その翌日にはグループ8番目のクラブとして、インドのムンバイ・シティFCを買収したことも発表。今後も成長を続けるグローバルスポーツ市場のもとで、積極的に事業を推進していくことが期待されている。

前述のLos Angeles FCのように、様々なオーナーが価値を構築していくケースも世界では動き出している。国内では、鹿島アントラーズの経営権を取得したメルカリの他、スペインの名門・FCバルセロナとパートナー契約を締結した楽天、東京ヤクルトスワローズとトップスポンサー契約を結んだミクシィなど、積極的にスポーツの分野に進出するオーナーも出始めている。

UBS銀行の山本も次のように指摘する。

「日本におけるスポーツチームのオーナーシップを考えたとき、近年ではインターネット企業の動きが特に目立っているように思います。インターネット等のビジネスは、飛ぶ鳥を落とす勢いですが、実は裾野が狭く、富が集中し経済全体は回りにくい。他方、スポーツビジネスは元々のエンターテイメント性に加え、テクノロジーや人材、コミュニティーや地域性など実に裾野が広い。そのなかで、金融機関として果たすことができる役割は多いと思っています」

山本はさらに、UBSの役割についてこう言及した。

「UBSは世界で最も富裕層を理解する企業として、この重要なテーマを様々な角度から取り上げ、継続的にお客様に情報提供していきたいと考えています」

海外と比較して、日本国内でスポーツビジネスはまだ成熟しきっていない領域。だからこそチャレンジの価値がある。オーナーシップという観点からも、日本のスポーツビジネスは大きな可能性を秘めることが伺えるイベントとなった。



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