シードリームのように、豪華な旅を望む人に向けたクルーズ旅行を提供する企業は増えている。2020年夏にはリンドブラッド・エクスペディションズ(Lindblad Expeditions)社のナショナル・ジオグラフィック・エンデュアランス号とシルバーシー(Silversea)社のシルバー・エクスプローラー号などが、北極海航路を利用してノルウェー北部とアラスカ州の間を航海する予定だ。
しかし、スバールバル諸島やその周辺地域の住民の中には、観光客の増加を快く思わない人もいる。専門家らは、環境や社会への影響に関する懸念だけでなく、緊急状態が発生する可能性に関しても警鐘を鳴らしている。
ノルウェー赤十字社のアンデルス・トルヘイムはニュースサイト「バレンツ・オブザーバー(Barents Observer)」に対し、今年ノルウェー沿岸でクルーズ船のバイキング・スカイ号が遭難し、乗客救助のために240人ほどのボランティアが動員される出来事があったが、さらに離れた海域ではこうした活動が不可能になると語った。