アルゼンチンからノルウェーへ
このクルーズは、ノルウェーの企業シードリーム・ヨット・クラブ(SeaDream Yacht Club)が運航。乗客はまず、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスからティエラデルフエゴ州まで航空機で移動する必要がある。船は世界最南端の都市とされている同州ウシュアイアを2月8日夜に出航し、南回りでドレーク海峡を通って南極海のサウスシェトランド諸島へと向かう。
島々を数日かけて回ってから、船は南米へと引き返してチリのホーン岬に寄った後、南米東海岸を北上する。
クルーズ開始から5週間後、船は4日間かけて大西洋を横断。その後はロンドンやアムステルダム、コペンハーゲンなどに寄港した後、いよいよ北極圏へと向かう。
まずはノルウェーのフィヨルドと壮観なロフォーテン諸島を周り、その後は同国の北極圏にあるスバールバル諸島を探索する。北極圏で1週間以上を過ごした後、クルーズは5月7日、定期航空便がある町としては世界最北のロングイェールビーンで終了する。
3カ月近くの壮大な旅を終えた船はロングイェールビーンに残り、スバールバル諸島周辺の短距離クルーズを行う。
新しい船で新たな経験を
シードリームは、このクルーズで使われる新造船「シードリーム・イノベーション」について、5つ星ダイニングを備えた超豪華客船とうたっている。このクルーズは、世界でも特に人里離れた海域を回るものとしては過去最高級のクルーズ体験となる予定だ。
シードリーム・イノベーションは2021年に進水予定で、9つのデッキに110の個室を備え、屋外スペースは約3500平方メートル、乗員は最大200人、乗客は最大220人。都市から遠く離れた場所を航海するため、船にはヘリコプターや水上飛行機も装備される。
北極観光がブームに
北極クルーズは新しいものではないが、利用者の層は変化している。カナダやアラスカ州、北欧付近の北極海海域では長年の間、探検旅行スタイルのクルーズが人気だった。しかし海氷の急速な融解により、現在ではより大型で豪華なクルーズ船が航行できるようになった。