キャリア・教育

2019.12.19 14:45

わくわくと行動で切り拓く─Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2019発表

Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2019

「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2019」が12月19日、六本木ヒルズ(東京都港区)で開催され、今年の受賞者が発表された(受賞者一覧は下記の通り)。

世界ではフィンランドの女性最年少首相の誕生や、環境活動家のグレタ・トゥンベリの活躍などが目立った1年だったが、日本は世界経済フォーラムが12月17日に発表した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」で過去最低の121位になるなど、女性の経営者や管理職の少なさや政治参画の遅れが喫緊の課題になっている。

Forbes JAPAN WOMEN AWARDは、女性が真に輝ける活躍の推進を目的に、2016年からForbes JAPANが女性のキャリアを支援するLiBと実施。企業へのアンケート調査などを基に、専門のアドバイザーに審査に加わってもらい、女性が活躍できる企業と社会で活躍する女性のビジネスリーダーを選出、表彰してきた。

4回目を迎えた今年のテーマは「セルフメイドウーマン」。利益の追求だけでなく、社会にどのようなインパクトを与えるのかが問われる時代に、自らのビジョンを持って新しいキャリアを切り拓く、セルフメイドの女性ビジネスリーダーにスポットライトを当てた。

約150人が集まったイベントでは、受賞者と受賞企業の発表の後、トークセッションを実施。女性が活躍する企業の条件や、セルフメイドな生き方を貫く方法などについて話し合った。

キーノートセッションで、国際的な女性リーダーを支援するネットワーク組織、WIN Conferenceの創業者でCEOのクリスティン・エングヴィッグが登壇。男性優位の企業に違和感を感じて創業した体験を振り返りつつ、自分のビジョンや信念を貫き通すことの重要性を強調した。特に、日本人女性へのメッセージとして「許容できないことは許容しない、ノーと言う勇気も重要だ。ハラスメントや許せないことは許してはいけない」と訴えた。

最後にスペシャルゲストとして、2019年7月発売の「セルフメイドウーマン」特集にも登場したブルゾンちえみが出演。

「35億」のキャリアウーマンネタで一世を風靡したブルゾンは、セルフメイドの生き方について、「自分の心がどう思うのか、本当にわくわくするのかをいつも大事にしている。SNSで人生に悩んでいる人からコメントをもらった時も、『本能で生きてる?』と問いかける。本当は自分が一番わかっている。わがままだと思われても、勇気を持って決断すると、案外うまくいくこともある。自分の心に嘘をつかず、自分の気持ちを大切にすることが大事」とコメント。

キャリアを成功に導く秘訣については、「まずは行動すること。同じ悩みは二度言わない。悩みを解決するためにできることはなんでもする。自分はラッキーだったと思うけど、そのときできることは全部やった。今後は、いまの立場を使いながら、これまで諦めていた夢や活動にも取り組んでいきたい」と話し、会場にいる女性たちにエールを送った。

▼受賞者一覧

<個人部門>(順不同)

【社会インパクト賞】
森澤充世 CDP ジャパンティレクター、PRI(責任投資法則) ジャパンヘッド 
受賞理由:企業の環境への取り組みを評価し情報開示を進める国際NGO「CDP」、国連が支援するESG投資のプラットフォーム「PRI」の日本支部をそれぞれ立ち上げ、日本企業のESGへの取り組みを広めている功労者。社会人経験を経て大学院で博士号を取得し、日本ではまだ注目度が低かった環境分野にいち早く取り組んだ点や、大企業も無視できなくなるほどの影響力を持つシステムに育て上げた点を評価した。

【グローバル賞】
時岡真理子 EastMeetEast 創業者兼CEO
受賞理由:北米で最もアクセス数の多いアジア人向けマッチングアプリEastMeetEastの創業者兼CEO。MBAを取得後、ロンドンで教育系アプリQuipperを共同創業し、48億円で買収し、13年にニューヨークでEastMeetEastを立ち上げた。グローバルな舞台で連続起業家として活躍している点や、ダイバーシティのチームを率いて、北米ではマイノリティのアジア人に特化したユニークなビジネスを展開している点を評価した。

【チェンジメーカー賞】
東 志保 Lily MedTech 代表取締役
受賞理由:乳がんの検査機器を開発する東大発スタートアップの代表。実現できれば、これまでのサーモグラフィ検査では発見が難しかった高濃度乳房のがんに適しており、痛みや被ばくの恐れもないなど、医用超音波技術を基にした画期的な画像診断装置になる。2020年に量産化体制の整備を目指している。高校生の時に母親を脳腫瘍で失った経験から、乳がんで苦しむ女性や家族を減らしたいと、会社を立ち上げて量産化に近づけている点を評価した。

【ルーキー賞】
京谷侑香 キリンビール マーケティング本部 マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 新ジャンルチーム
受賞理由:入社6年目、29歳の若手社員。発売から1年半で5億本の大ヒットとなった「本麒麟」の開発に携わった。商品を知ってもらう機会を増やそうと様々なメディアで積極的に発信もしている。異動してすぐに新しい仕事にチャレンジし、失敗をしながら次の成功につなげた点や、大企業の中で自分のビジョンを明確に持ち、その実現に向かってさまざまな関係者を説得し、巻き込みながら成果を上げている点を評価した。

【パイオニア賞】
大西厚子 三菱電機 名古屋製作所HMIシステム部長
受賞理由:1990年に三菱電機に入社。同社の国内トップシェアを占める主力事業の一つであるFA(ファクトリーオートメーション)システムの開発にエンジニアとして従事し、マネジャーとしても400人の開発者をまとめる大規模プロジェクトなどを率いた。2019年から名古屋製作所HMIシステム部長を務める。国内大手電気メーカーで、女性のロールモデルがまだ少ない分野のエンジニアとして活躍し、マネジャーとして実績を残している点を評価した。

<企業部門>
各社の女性活躍推進のための取り組みについて、エントリー企業を対象にアンケート調査を実施。管理職の女性比率や、女性役員の数などによって抽出された定数情報を集計し、従業員数の規模ごとにランキングを形式で表彰した。

【1000人以上の部】
1. プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン
2. 丸井グループ
3. 積水ハウス
4. イケア・ジャパン
5. ベイクルーズ
6. SMBC信託銀行
7. スターバックス コーヒー ジャパン
8. 日本アイ・ビー・エム
9. みずほフィナンシャルグループ
10. フィリップモリスジャパン

【300人以上1000人未満の部】
1. ノンストレス
2. デュポン
3. リコーリース
4. 三ッ輪ホールディングス
5. メンバーズ
6. アシックス
7. アイスタイル
8. ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス
9. プロトソリューション
10. LIFE CREATE

【300人以下の部】
1. 彩さ美
2. ディア・ヒロイン
3. 渕上ファインズ(Dress the Life)
4. 空のはね
5. アンジェラックス
6. Surpass
7. エグゼクティブ
8. スープストックトーキョー
9. カラダノート
10. ドヒハウス

<アドバイザリーボード>
主に個人部門の審査に関わったアドバイザーは下記の5人。

奥田 浩美 (ウィズグループ 代表取締役)
河口 真理子 (大和総研 調査本部 主席研究員)
久能 祐子 (シリアルアントレプレナー、ハルシオン創業者)
松本 洋介 (LiB 代表取締役)
谷本 有香 (Forbes JAPAN 副編集長)

詳しい内容は2020年1月25日発売のForbes JAPAN 3月号に掲載予定。

編集=Forbes JAPAN 編集部

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