この法案は党派を超えて支持されており、共和党ではミッチ・マコーネル上院院内総務やマサチューセッツ州知事のミット・ロムニー、民主党ではブライアン・シャッツやティム・ケインらが賛同している。
米国では今年、電子タバコの喫煙に絡む若年層の健康被害が度々報じられたことも、この法案への支持を後押しした。米国の連邦レベルでは、喫煙の最低年齢は18歳とされている。しかし、グアムを含む19州では独自の判断で21歳に引き上げられた。
タバコの健康被害を訴える団体や、一部のタバコ業界の関係者も、この法案に前向きなスタンスをとっている。電子タバコ大手のJuulの株式の35%を保有するAltriaも、喫煙可能年齢の引き上げに賛成の立場だ。
しかし、年齢の引き上げだけでは、若年層の電子タバコ使用の増加を食い止められないと指摘する声もあがる。反タバコ団体は議会に対し、フレーバーつき電子タバコの全面禁止や、オンライン販売の制限を求めている。さらに、この分野の広告の透明性を高めることを求めている。
「議会や当局は、電子タバコの被害を抑制するためにさらなる対策を講じるべきだ」とAmerican Lung Associationの広報担当はフォーブスの取材に述べた。
ドナルド・トランプはフレーバーつき電子タバコの販売を禁止すると宣言したが、業界団体のロビー活動や、一部の保守派議員からあがった大統領選への影響を懸念する声を受けて、法案への署名を延期した。
合衆国下院は12月19日に、予算案を通過させる予定で、それにともない喫煙年齢引き上げの法案も可決される見通しだ。その翌日の20日には、上院で法案の審議が行われる。ワシントン・ポストによると、トランプは昨年、記者団らに喫煙年齢の引き上げに賛成だと話していたという。