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 フェイスブックが遂にP2P(ピアーツーピア)の送金サービスの開始を発表した。当面は米国ユーザーのみが対象だが、ここで浮上する疑問がひとつある。同社の送金サービスは、ペイパル傘下の送金アプリ「ベンモ(Venmo)」の脅威となるのだろうか。

 また別の疑問もある。それは、フェイスブックの送金サービスが果たして「ウィーチャット(WeChat)」に匹敵する成功を収められるのか、という問題だ。

 5億人が利用する中国製メッセージアプリ、ウィーチャットの送金サービス開始は13年半ば。それ以降、この機能は多くのユーザーの心を捉えている。今年2月の旧正月には、ウィーチャットの中国人ユーザーは「赤いお年玉袋」を送信し合ったが、その数は何と10億件。現金を贈り合うという昔ながらの伝統がデジタル化され、人々の新たな習慣となったことを示した。

 この事実は、フェイスブックの幹部らに「送金システムの未来を変えることができる」との期待を抱かせている。同社には昨年、ペイパル社から引き抜かれたデービッド・マーカス氏も加わっている。

 しかし、欧米で圧倒的支持を誇るフェイスブックも、ウィーチャットが中国で成し遂げたほどの爆発的成長を期待するのは難しそうだ。

「アプリでの送金やMコマース(モバイルコマース)は、アジア圏や中国で早くから普及した」と、調査会社グローバルウェブインデックス(以下、GWI)の主任アナリスト、ジェイソン・マンダー氏は言う。

 アジアでは、モバイルでの送金や支払いは、欧米よりも広く受け入れられている。先月だけでもウィーチャット・ユーザーの5人に2人以上がモバイル決済や送金を利用した。その一方で「欧米のユーザーはこの分野ではかなり保守的だ」と、前出のマンダー氏は話す。

 GWI社の調査では、米国のフェイスブックユーザーの半数以上が、スマートフォンでのオンライン・バンキングの利用経験を持つ。しかし、七割以上のユーザーが「個人情報が悪用される可能性」を危惧している。

 そんな状況下で健闘しているのが米国製の送金アプリ、ベンモだが、そのユーザー数はまだまだ少ない。同アプリの利用者は25歳以下のニッチな層に留まっており、これを利用することがいかに“意識が高い”ことであるか、もしくはバカげているかというテーマで、世代をまたいだ議論が巻き起こったほどだ。

 直近の四半期のベンモでの送金取引額は7億ドル。年間ではおよそ30億ドルの計算になる。ベンモのアプリはApp Storeのランキングを上昇中で、現在では200位近くに上昇した。しかし、ベンモのユーザーが何百万人といようとも、毎月14億人が利用するフェイスブックが送金サービスに乗り込めば、競合他社はあっという間に駆逐される可能性もある。

 それでも両者は、アジアで圧倒的シェアを誇るウィーチャットにはかなわない。新しいものを受け入れる姿勢において、アジア人は西洋人より明らかに進んでいるのだ。

 米国においては、結局のところフェイスブックもベンモも、ウィーチャットの躍進を傍観するしかないのが現実なのだ。

文=パーミー・オルソン(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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