ジェフ・ベゾスのロケットが宇宙に運んだ「子供たちのハガキ」

Red Huber/Orlando Sentinel/Tribune News Service via Getty Images

アマゾン創業者でCEOのジェフ・ベゾスは2019年12月12日、ツイッターに投稿した動画で彼が設立した宇宙旅行企業「ブルーオリジン」の再利用型ロケット「ニュー・シェパード」の、打ち上げ及び着陸が成功したことを報告した。

動画の冒頭では、晴れ渡った青空の下、ニュー・シェパードが地球に戻ってくる様子が映された。ロケットのブースターは、エンジンを噴射させつつ着陸し、カプセルはパラシュートで緩やかに地上に降りてきた。

着陸現場に現れたベゾスは、迷彩柄のパーカーにカウボーイハットという、保有資産1090億ドル(約12兆円)の億万長者には見えない服装だった。ウエストテキサスの乾いた大地に着陸したカプセルに駆け寄ったベゾスは「この機体は宇宙まで飛んで、地球に戻ってきた。6回目の再利用に成功できたことはとても意義深い」と話した。

今回の打ち上げは有人飛行ではなかったものの、カプセルの中には数千枚の子供たちが書いたハガキが積み込まれていた。これはブルーオリジンが設立したNPO団体Club For The Futureの「スペース・メール」と呼ばれるプロジェクトの一貫だ。

Club For The Futureは未来の宇宙開発を支援し、子どもたちや学生、親や教師たちを、手頃な価格で継続的に、宇宙にアクセス可能にすることを目指している。宇宙への旅から帰還したハガキには、ブルーオリジンのスタンプが押され、子供たちの家に郵便で届けられる。

動画のなかでベゾスは、子供たちがハガキに書いた宇宙への思いを読み上げ、スタンプを押しながらこう言った。「宇宙に送り込んだ君たちのハガキが無事に帰ってきた。素晴らしい気分だ」

ブルーオリジンは近い将来、再利用可能ロケットに人類を乗せて宇宙に運ぶ予定だ。「今回のミッションは、ニュー・シェパードの有人飛行に向けての新たなステップとなった。今後もさらに、機体の安全性や信頼性を高めていく」と、ブルーオリジンは声明で述べた。

編集=上田裕資

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