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2019.12.25

「創造を続ける風土」が強い企業を育てる

企業とビジネスを取り巻く環境が実に多様になるなか、強い会社と弱い会社の「分岐」は、どこに出現するのか。人材開発と組織開発のプロフェッショナルである株式会社セルムの加島禎二社長が見つめる「核心」とは?


グローバル化、IT化、環境負荷の低減、ダイバーシティの確保、SDGsの実現などなど、企業とビジネスに関わる要素は多様化し、複雑化している。しかも、いずれの要素にも強い衝撃力があり、ひとつたりとも対応をおろそかにできない。この要素を受け入れ、かつ糧として「強い企業」を創造していくのが現代の経営リーダーの使命になっている。

実は、多岐にわたる要素には共通した底流があり、そこを見誤ると強い企業になれない。「自発する個と創発する組織」の創造を提唱し、多くの大手企業に対し、経営リーダー育成や企業風土の改革などの人材開発・組織開発支援に取り組んでいるセルムの加島禎二は、「強い企業になるためには、創造する企業風土を醸成し、その企業DNAを社内に浸透させていくことが必要だ」と指摘する。

「第4の産業革命が進行し、AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などにより多くの分野で業務の自動化が実現すると言われるなかで突きつけられているのは、『人間のやるべきことを再定義すること』です。つまり人にしかできない、わくわくできることとは何なのか。駆りたてられる創造性を最大限に発揮し、プロトタイプで即座に創り、マーケットでその検証をスピーディーに行っていく時代が始まっています」

ITが、それを促し、容易にもする。例えばSNS文化を創ったフェイスブックは、「Facemash」という同性同士の写真を2枚並べ、どちらがより「好み」かを投票するサイトなど、いくつものアプリやオンラインソフトを開発していくなかで派生的に生まれたものだ。アマゾンは、既存インフラにITを重ねることで、従来とは似て非なる図書流通のモデルを創造した。当初の技術は、先端でもなく難しくもないものだったが、新しいビジネスを創造するという観点で両社の精神は誰よりも強烈だった。

「ITは、非効率を解消するツールですが、これまでのところ、人の心を豊かにはしていません。しかしながら、現状は効率化に向けたITツールの良し悪しを競争の主軸においてしまっている社会になっています」と加島は見る。

ギル・プラットはなぜトヨタを選んだのか?

加島は、ひとつ具体例としてトヨタ・リサーチ・インスティテュートのCEOに就任したギル・プラットを挙げる。米国防総省直属の研究機関にいたギルが、なぜトヨタの研究所のCEOに就任して「事故を起
こさないクルマの開発」に挑み始めたのか。それは、彼が友人を事故で亡くしており、世界で最も早く高齢化社会を迎え、安全で安心なクルマを届けるべき場所が日本だと考えたからだ。

「世界のタレントを集め、社会課題と密接に絡んだ創造し続ける精神の発揚をエンゲージメントできるか。そこが、これからの日本企業を占う試金石の一つとなります」(加島社長)

M&Aで事業の規模を拡大したりするのは「エンジニアリング」であり、創造ではない。エンジニアリングのみに陥らない、創造し続ける精神の確保が、強い企業の大前提になる。

そうした大前提のうえで、これからの経営に期待される人材像は4つの型に分けて考えられると指摘する。

①チェンジリーダー型=既存事業にイノベーションを起こし、新たな事業の方向性を示して組織や人材をリードできる人材、②イントレプレナー型=社会的な課題に強い問題意識を持ち、グループ内外のリソースを活用して新たな事業を生み出せる人材、③スペシャリスト型=専門性を武器に、製品や商品、ビジネスプロセスなどを革新できる人材、④プロジェクトリーダー型=成果実現に向けて既存の組織を超えて最大限のパフォーマンスを創出できる人材、である。


経営人材=経営レベルのインパクトを創出できる人材群


役職ではなく「創造による価値の提供」に働きがいを見出す

セルムが特に力を注ぐのが、イントレプレナー型人材の育成だ。簡単に言えば所属する企業が保有するさまざまな経営資源を活用して起業する人材だ。「何よりもイントレプレナーはサステナブルな視点に基づき、事業創造に取り組めることに、企業も働いている人も注目すべきです」と加島は強調する。

ベンチャーは資金を集めるだけ集めて「ダメでした。残念でした」で終わるケースが少なくないが、イントレプレナーは、よりサステナブルな視点で新事業を検証できる。何よりも彼らの努力と活力は社内に
伝播する。企業内資源を活用することの魅力に気が付いていない企業と社員は、まだまだ多い。「会社を単なる居場所にしてはいけないのです」(加島)。

新市場創造を経験しているトップが、新市場創造の機会を与え、促し、経験が積まれて、そのDNAが次世代にも継承される。このプロセスこそが、イントレプレナーシップを育む系統である。セルムはこのような会社をそばで複数見ており、支援している。

加島は、「4つの人材像とは、プロフェッショナルとして、どのような価値を提供できるかという市場価値を切り口として見いだしたものであり、会社内での役職や職制での切り方ではありません。言葉を換えれば、会社組織の中である役職・職制に就いたか就かないかで人がわくわくする時代ではなく、何かを創造し、世の中に価値を提供できると実感できることが人をわくわくさせるのです」と言う。

幕末から明治にかけて、さまざまな起業家が出てきていた。ドラッカーが言う「顧客の創造」をそのままやってきたのが日本企業。「人の役に立ちたいとか、貢献したい、喜んでもらうとうれしいとか、そういう国民性は世界でもまれです。それが商売につながり、経営につながっていた。すべての価値創造の原点は、顧客でなければなりません」。

もちろん誰よりも顧客を意識しながら仕事をし、誰よりも学び、誰よりもわくわくしているのは経営リーダーでなければならない。


加島禎二◎大学を卒業後、リクルート映像に入社。営業、コンサルティング、研修講師を経験。1998年セルムに入社。2010年代表取締役社長に就任(現職)。一貫して「理念と戦略に同期した人材開発」を提唱し、次期経営人材の開発や人材開発体系の構築、リーダーシップ開発、組織開発などに携わる。

Promoted by セルム / text by Haruhito Funaki / photograph by Kenta Yoshizawa

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