ビジネス

2019.12.17

スタートアップに必要な「ミドルマネジメント層」の育て方|div 真子就有

div代表取締役の真子就有

卒業生10000人超、満足度99%を誇り、プログラミング教育の市場を牽引するテクノロジースクール「TECH::CAMP」。同サービスを提供する株式会社divの代表取締役・真子就有氏は、成長ベンチャー・じげん社の内定者アルバイト時代に起業を決意。その後、世に出したサービスの2度にわたる事業撤退を乗り越え、今のサービスにたどり着いた波瀾万丈な経歴の持ち主。今回は真子氏に、起業家として重要な素養や、テクノロジースクールの未来などをドリームインキュベータの下平将人が聞いた。(全5回)

※本記事は2018年6月に掲載したインタビュー記事に加筆・修正を加えております。


理念に紐づいた事業・行動をし続ける

──先ほどお話しいただいた通り、様々な事業を経て今のTECH::CAMPに行きつかれたと思いますが、それぞれに共通するビジョンみたいなものは存在していたのでしょうか?

まずは立ち上がる事業をやること。これに集中していたように思います。しかし、自分達のやっていることには、それぞれ事業の形は違えど「何か共通の意義・価値観があるはずだ」とも感じていました。

TECH::CAMPが軌道に乗るようになって、改めて成し遂げたい理想像やこれまでの取組みを考えた時に、ようやく「人に成功体験を積ませて人生を変える」というコンセプトが、自分の達成したい事なのだと明確に言語化できるようになりました。

──そこから御社の「人生にサプライズを」という企業理念を作ろうと考えられたのでしょうか?

そうですね。「人生を変える機会を提供したい」というのは、起業当初からの想いとしてありました。divという社名も、分岐点(divergence)、つまり人の人生を変える機会が由来です。その想いを表現できる、一度聞いたら絶対忘れられないキャッチコピーを理念にしたいと考えました。

そうした中で、最もピンときたのが今の理念である「人生にサプライズを」です。理念は正しいことより覚えてもらうこと・伝わることの方が大事だと考えているため、分かりやすさを優先させています。

──その理念が御社には社員の皆さんに上手く浸透しているように思います。理念を浸透させるうえでのコツなどはありますでしょうか?

「理念に紐づいた事業・行動をし続けること」が一番なのではないでしょうか。

私自身もよく他人に対してサプライズをします。誕生日のお祝いを盛大に企画したり、お客さんにちょっと喜んでもらえることを考えたり。加えて、「サプライズを生むにはどうしたらいいか」を常に口に出しています。言動一致で理念を体現し続けて、イメージをメンバーの頭に何度も何度も植えつけることが最大の近道だと思います。
次ページ > ミドルマネジメント層の強化

文=下平将人 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

ForbesBrandVoice

人気記事