米保守系TVの「ゲイカップル差別」に抗議殺到、CEOが謝罪

zola.com

米国のウェディングギフト分野で急成長を遂げたスタートアップとして知られるのが、ニューヨーク本拠の「Zola」だ。2017年のフォーブスの「次世代スタートアップ(Next Billion-Dollar Startups)」リストに選出された同社は、市場規模が190億ドル(約2.1兆円)以上とされる結婚ギフト市場を革新しようとしている。

そのZolaが同性愛カップルを起用したテレビCMが12月14日、大手のテレビネットワークで放映中止にされ、大騒動に発展した。問題のCMは米国で8500万人以上の会員数を誇る有料テレビネットワークの「ホールマーク・チャンネル(Hallmark Channel)」で公開されたが、間もなく取り下げられた。

同チャンネルはハリウッド・レポーターの取材に対し、CM内で二人の女性らが結婚式でキスをする場面が、ネットワークの価値観に合わないとの批判を受けて放映を中止したと述べた。ホールマーク・チャンネルは家族向けの番組に強みを持ち、米国の保守層の間で支持が高いネットワークとされている。

しかし、同ネットワークのCMの公開中止は、LGBTQグループなどから強い非難の声を浴びた。同社のCEOは12月15日、広告の取り下げは誤った判断だったと謝罪し、ZolaのCMを再びオンエアする意向であると述べた。

しかし、Zola側は今後、一切ホールマーク・チャンネルとの関係を絶つと宣言していた。フォーブスはZolaにコメントを求めたが現時点で回答は得られていない。

ホールマークはアンチゲイ団体「ワン・ミリオン・マム」(One Million Mom)の抗議を受けて、今回のCMの放映を中止したとされる。しかし、LGBTQ系の団体や著名人、さらには2020年の米大統領選に出馬を宣言し、ミレニアル世代の大統領候補として話題のピート・ブーテジェッジらも抗議活動に加わり、ボイコットを呼びかけるハッシュタグ#BoycottHallmarkはツイッターのトレンドにも浮上していた。

毎年年末シーズンにホールマークは、クリスマスをテーマとした恋愛ドラマをオンエアすることで知られている。しかし、近年は批評家の間からホールマークの番組が、ストレートのカップルのみを起用しているとの批判の声があがっていた。

ホールマークの親会社のCrown Media Family NetworksのCEOのビル・アボットは、この批判を受けて「我々のネットワークは同性愛の人々をテーマにした番組に対してもオープンである」と述べていた。

編集=上田裕資

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