フォーブスが2019年11月6日に発表した「中国の富豪400名ランキング」に名を連ねるビリオネアたちは、多様なカテゴリで富を築いているが、特徴的なのは、教育分野から新たに7名がランクインしたことだ。
デロイトによると、教育業界は中国で最も成長が速いセクターで、市場規模は2018年の3800億ドル(約42兆円)から2020年には4800億ドル、2025年には7150億ドルに拡大する見込みだ。
教育業界のベテランLi Yongxinは、新入りの60名の中で資産額が最も多い91億ドルだった。Liが設立した「Offcn Education Technology」は880カ所の拠点を持ち、年間230万人の生徒を対象に主に公務員試験対策の指導をしている。同社が今年、裏口上場(経営破綻した企業を買収することで上場企業の資格を得ること)を果たしたことで、Yongxinは大きな富を得た。
製薬業界からは、5名が新たにランクインした。そのうちの1人であるHao Hongは、米ジョージア大学大学院を修了後、1995年にノースカロライナ州で「Asymchem Laboratories」を創業し、3年後に中国に戻って事業を拡大した。
ここでは最新版の中国の富豪ランキングから、注目すべき新たなビリオネア5名を紹介する(氏名に続くカッコ内は業種)。
Li Yongxin(教育)
資産額:91億ドル(約9933億円)
年齢:43歳
新たにランクインしたビリオネアの中で最も資産額が多いLiは、1999年に教育ビジネスに参入後、すぐに公務員試験対策の指導に特化した。彼は、2010年に「Offcn Education Technology」を仲間と創業し、2019年に裏口上場により深セン証券取引所への上場を果たした。同社は北京に本拠を置き、880ヶ所の拠点で年間230万人に指導を行っている。
Robin Zeng(バッテリー製造)
資産額:59億ドル(約6440億円)
年齢:50歳
Zengが2011年に設立した「Contemporary Amperex Technology (CATL)」は、深セン証券取引所に上場し、世界最大のEVバッテリーメーカーとなった。顧客には、ダイムラーやボルボ、フォルクスワーゲンなどの大手自動車メーカーが含まれる。同社は福建省寧徳市に本拠を置き、2018年12月には、北米初の営業・サービス拠点をデトロイトに設置した。Zengは物理学の博士号を取得後、香港で携帯電話のバッテリーを製造する会社を設立し、後にEV部門をスピンアウトする形でCATLが誕生した。