S&P500ではいまのところ、株価収益率が比較的高い23倍で取引されている。しかしこれまでを見ると、米株式市場では5倍から40倍の株価収益率なら、投資家は喜んで投資してきた。それだけの幅があれば、70%の値上がりから70%の値下がりまで、どんな結果にもつながり得る。それがたった1年のあいだに起こるのは、普通なら考えられない。それでもなお、そうしたバリュエーションの変動が、より安定感のある1株当たり利益成長率の連続以上に、市場を支配する傾向があるのがわかるだろう。
それこそ、2020年の予想が外れる可能性が高い理由だ。発表された予想が、市場の平均リターンのあたりに集中しているのはたしかだ。しかし、どの1年間であっても、平均をずっと上回るかずっと下回るか、そのいずれかになる可能性が高い。また、バリュエーションの変動が、短期的なリターンを支配しがちだ。
あいにくだが、現在の高すぎるバリュエーションを考えると、2020年がとりわけ不運な1年になるリスクはいくらかありそうだ。しかし、確信は持てない。わかっているのは、平均的なリターンに落ち着く可能性は、当初の見込みよりも低いということだけだ。