「ドローンによる料理・食品配送」普及の鍵になるのは?

ウーバーイーツのドローン(Uber)

ウーバーは2019年10月、同社のフードデリバリー部門「ウーバーイーツ」において、ドローン配送の試験運用を2020年中にカリフォルニア州サンディエゴで開始すると発表した。この動きは、ドローン配送が今後、ごく日常的な配送方法になるのだろうかという疑問を生んだ。ドローンによる料理や食品の配送を検討している企業は多いが、物流などの問題が依然として、その導入を妨げている。

ソリッドステート冷却技術を提供するフォノニック(Phononic)の食品飲料部門担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるダナ・クリュッグ(Dana Krug)は、インタビューに応えてドローンに関する見解を述べてくれた。どうやら、将来的にドローン技術を用いた配送が広がる可能性はあるが、普及にはまだ何年もかかる可能性がありそうだ。

ドローンによる食品配送

クリュッグは以下のように語る。「ドローン配送は、Eコマースの次なるフロンティアのように見える。アマゾンやウーバーといった主要企業は、ドローン技術への投資に力を入れている。実際、ジェフ・ベゾスは2013年に、2018年までにドローン配送を始動させると話していた。しかし米連邦航空局(FAA)は、現時点でまだ許可を出していない」

現状ではFAAの規則により、企業や個人がドローンを使う場所や時間帯、用途が制限されている。FAAが認可し、制限が緩和されたとしても、ドローン配送の本格展開には時間がかかる可能性が高い。

たとえばウーバーイーツが発表したレストランからの料理のドローン配達計画は、あらかじめ決められた場所までドローンで運ぶものだ。結局のところ、最終目的地までは配送ドライバーが運ぶことになる。洗練されたドローン配送が広く普及し、料理や注文の品が配送される様子を個々の消費者が目にするようになるまでには、まだ数年がかかるかもしれない。本格的な食品配送の開始には、それよりもさらに長い時間がかかりそうだ。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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