上司ではなく教授のように 新たなリーダーシップの3つのコツ

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シカゴを拠点とする建築会社シーハン・ネーグル・ハートレー・アーキテクツ(Sheeran Nagle Hartray Architects、SNHA)の7人のプリンシパルの1人、ニール・シーハンは2004年、小さな建築会社であるシーハン・パートナーズ(Sheehan Partners)を設立した。彼は当初、7~8人の従業員を持つことを予想していた。

しかし、ネーグル・ハートレー・アーキテクツとの統合後、同社は主に経営陣のリーダーシップに対する考え方と取り組みにより、急速に拡大・成長した。

シーハンと彼のチームは、リーダーシップに対して学術的なアプローチを採用している。同社は力を合わせて働く協力者の集まりであり、誰もが他の人に教えたり教えられたりすることを持っているという考えに焦点を当てているのだ。シーハンは「上司ではなく、教授のように行動しよう」と述べた。

私はシーハンを取材し、同社でうまく機能してきたこの新たなアプローチについて尋ねた。このアプローチは生産性や従業員エンゲージメント、離職率を改善できる可能性を秘めており、次の3つのことから成り立っている。

1. 開放的な学習環境を作る

大学では、授業の課題を選び完了する自由が与えられていることが多く、自分が望む人とチームを組める場合もある。SNHAが目指していることの一つは、こうした大学のような雰囲気を職場に導入することだ。特に対象となるのは、近年の大学卒業生やミレニアル世代だ。

同社は、従業員の好みに応じてさまざまな作業空間の環境を整備し、開放的な作業スペースを作ることで、職場で柔軟性を実現するよう努めている。リーダーらは目標と優先事項を設定し、毎日の作業で必要に応じて助言や指導ができるようにしている。シーハンは「職場で連帯感を培い、従業員が共有・学習し合うことを奨励するのが重要だ」と述べた。

2. 職場での継続的な学習を奨励する

メンター制度や昼食時の勉強会、外部での教育への奨学金により、従業員が仕事中でもプライベートでも学びを継続しやすいようにすること。「トレーニングは非常に的を絞ったものとなることがあり、その後その知識は同僚の間で共有できる。こうした機会を活用すれば、職場で知識が蓄積される」とシーハン。これにより業務がより生産的になり、最終的には企業の収益が改善する。

経験に磨きをかけたい最近の大学卒業生や、昇進や新たな分野の開拓を目指している従業員にとって、教育に対する支援は非常に重要だ。とはいえ、成長し会社に貢献し続ける機会は全員が持つべきだ。

3. 門戸開放型の方針を実践する

オフィスアワー(大学教員が学生の質問・相談に応じられるよう、研究室などに待機する時間)と同様、全ての役職レベルの従業員に対し、あなたとアイデアについて議論するよう奨励すること。そうすれば、創造的なアイデアや流れを変化させるような会話が生まれ、従業員の忠実度も上がるかもしれない。

シーハンは、最善のアイデアや解決策は協力的なブレーンストーミングから生まれ、成果を出すためには指導者が従業員の相談や要請にいつでも応じられるように準備しておく必要があると説明している。門戸開放型の方針を実践する方法としては、毎週状況確認を行うことから定期的なブレーンストーミング会議を開くことまで、さまざまな方法が存在する。

翻訳・編集=出田静

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