バケーションとワーケーション フリーランスに良いのはどっち?

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ワーク(仕事)とバケーション(旅行)を組み合わせた「ワーケーション」は、世界を旅して回りつつ顧客への対応を続けたい遠隔勤務者やフリーランサーの間で人気のライフスタイルだ。

コワーキングクルーズからシベリア横断列車の旅、静養目的の合宿まで、起業家をターゲットとした旅は多く存在する。こうした旅の多くでは、仕事とプライベート両面のコーチングや、他の参加者とネットワーキング(人脈作り)の機会、標準的な「旅行アクティビティー」一式といったサービスを受けられる。このようなデジタルノマド向け旅行パッケージは、生産的な環境を作りつつ、その中に楽しいレジャーを散りばめるよう企画されている。

イタリア・シチリア島の高級不動産賃貸企業セレクト・シシリー・ビラス(Select Sicily Villas)のアルド・モリチ最高経営責任者(CEO)は、最近は成人のグループ予約が増えていると語る。モリチは「世界のいくつかの観光地ではワーケーションが増えている」と述べた。

「遠隔勤務者の多くは、魅力的な場所で仕事関連イベントを開きレジャー活動と組み合わせる企業のサービスを利用している。例えば、グーグルがシチリア島で毎年開催している「グーグル・キャンプ」がある。このイベントでは、同社の経営陣やビジネスリーダー、投資家、セレブなどが重要な世界的問題について議論する。また当社は最近、旅をする大きな起業家団体から1週間ほどのワークショップ用コリビング(共同生活)の予約を受けた」(モリチ)

高級志向のデジタルノマドの旅のニーズを満たそうとしているのは個々の企業だけではない。世界中の宅地開発業者が、コワーキング施設に大きく投資している。コワーキングスペース所有者向けウェブサイト「コワーキングリソーシズ(CoworkingResources)」によると、世界では2020年までにコワーキングスペースの数が2万を大きく越えることが予想されている。

企業は確実にワーケーションのトレンドに乗っているが、ワーケーションは果たして本当に生産的なのだろうか? ワーケーションは、生産的に仕事をしながらも見慣れぬ土地を楽しむのに適した方法なのだろうか、それとも仕事を何よりも優先する誤った風潮を示すサインなのだろうか? ワーケーションのメリットとデメリットを探ってみよう。
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編集=遠藤宗生

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