この試合で、久保は後半14分に投入され、フル出場はかなわなかった。そして12月7日にバルセロナのホームスタジアム「カンプ・ノウ」で開催されるFCバルセロナ戦でも、レアル・マドリード戦以上に長い出場時間が与えられるかはわからない。とはいえ、久保には大きな注目が集まっている。
7日の試合でも、主役の座を占めるのはいつも通り、バルセロナの主将、リオネル・メッシだろう。この日の試合前には、メッシが12月2日に受賞した2019年のバロンドールのトロフィーを、ホームスタジアムのファンに披露する予定もある。
メッシは、久保がこれまで頻繁に比較されてきた選手だ。「小さなメッシ」と呼ばれることに居心地の悪さを感じていた時期もあったが、今では久保も、そうした声を気に病むことは少なくなったようだ。
前述したマルカ紙のインタビューで、久保はこう述べている。「そんなふうに呼ぶ記者もまだいる。メッシのように偉大な選手と比べられるのは名誉なことだ。でも、いつかメッシのようになるためには、僕にはまだたくさんの努力が必要だ」
欧州4大リーグに所属する日本人選手の史上最年少記録を更新した久保だが、7日のバルセロナ戦では、残念ながらアンス・ファティとの直接対決はかなわないようだ。21歳以下のスペイン代表にも選ばれているフォワードのファティと久保は、バルセロナの下部組織に所属していたころからの旧知の仲だが、ファティは現在、ひざの負傷により戦列を離れている。この試合で久保が古巣のバルセロナにダメージを与えられれば、レアル・マドリードのジダン監督、そして同チームの熱烈なファンたちをさらに満足させられるだろう(ファティは悔しがるだろうが)。
2019-20シーズン開幕以来、マヨルカはアウェーゲームではまだ勝ち点を1ポイントも挙げていない。しかもバルセロナ戦では、トッププレーヤーのラゴ・ジュニアも欠場予定だ(前述のレアル・マドリード戦で、前半7分に値千金の決勝点を奪ったのもこの選手だった)。こうした点を考えると、マヨルカが優勝候補のバルセロナに一泡吹かせるのは相当難しい可能性がある。
しかし、久保が今後、世界有数のビッグクラブでプレーする資格があると証明したいなら、まさにバルセロナのようなチームとの試合でこそ、抜きん出た活躍をして違いを見せつける必要があるだろう。