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植物由来の人工肉(Steve Heap / Shutterstock.com)

食品のパッケージに貼られているラベルやメニューに書かれた説明は、消費者の好みに影響を及ぼす場合がある。たとえば、消費者は「ベジタリアン」や「ビーガン(完全菜食主義)」と書かれた商品よりも、「植物由来」と書かれているものを好む傾向がある。

食肉を使わない商品を発売するメーカーが増加するなか、各社はそうした商品に貼るラベルについて、よく検討する必要があるかもしれない。

消費者が求めているのは?

ダウデュポン・ニュートリション&ヘルスが米国の消費者1000人を対象に行った調査によると、52%は植物由来の食品を以前より多く食べていると回答している。世界全体では、同じように答えた人の割合は65%。

これらの結果において重要なのは、こうした食習慣に関する変化が「永続的なものだ」と答えた人が60%に上っていること。また、植物由来の食品の消費量を今後さらに増やすにあたっては、味が最大の問題になっているとみられることだ。

肉を食べない食生活に切り替えられない人が主な理由として挙げるのは、「味」だという。食品業界が専門の調査会社米テクノミックの報告書によれば、ベジタリアンまたはビーガンの消費者のうち、「レストランはおいしい料理を提供している」と考える人はわずか27%にとどまっている。

ラベルはなぜ重要か?

食品のラベルは具体的に、購入に関する消費者の意思決定にどのように影響を与えているのだろうか?

テクノミックの調査によると、消費者の58%は、植物由来の食品を購入したいと考えている。一方、「ベジタリアン向け」、「ビーガン向け」の食品を購入したいという人は、それぞれ49%、43%だ。また、消費者は「ベジタリアン」や「ビーガン」用の食品について、植物由来の食品ほどおいしくないと思っている。

消費者の多くは、菜食主義の人たち向けの食品は「制限された、淡泊で退屈な食事のためのもの」と考えているのかもしれない。また、満腹感を得ることができず、継続するのが難しい一時的なダイエットのための食品だと思っている可能性もある。

テクノミックの関係者は業界誌「レストラン・ビジネス」に対し、「消費者はベジタリアンやビーガンという言葉について、何かが食べられなくなるという意味だと捉えているのだと思う。一方、植物由来についてはおそらく、より多くの野菜や栄養を取れるということだと考えているのだろう」と語っている。

また、「タンパク質に対する消費者の関心は高い。何より摂取したいと思っている栄養素だ。植物由来の食品からも、タンパク質を取ることができる」という。

食品サービス業界が専門の調査会社データエッセンシャルが飲食店のメニューの傾向についてまとめている「MenuTrends」によれば、メニューに含まれる「ビーガン」という言葉は、昨年までの4年間に87%増加している。さらに、企業がより多くの選択肢を提供していることから、植物由来の食品は売上高も増加している。

こうしたトレンドを受け、植物由来の食品市場では競争が激化している。関連各社は今後さらに、商品のラベルやメニューの書き方に細心の注意を払っていく必要があるだろう。

編集=木内涼子

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