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1月13日に地元熊本のえがお健康スタジアムで引退試合を開催する、巻誠一郎

現役生活を終えて、引退。そして次のキャリアを歩む。どれだけ活躍したアスリートにも、必ず“セカンドキャリア”はやってくる。

セカンドキャリアはアスリートそれぞれに自分なりの考えがあり、それぞれの道がある。生き方について他人がとやかく言う話ではないのだが、昨今はアスリートのセカンドキャリアの成功や失敗を第三者が決めつけてしまっているように感じる。例えば、アスリートが引退後に飲食店を始めると、落ちぶれてしまったと言われることもある。

だが今回、16年間の現役生活を突っ走ってきた巻誠一郎の話を聞いていて、結局は目の前のことに対して全力で取り組む姿こそがセカンドキャリアで良いのではないか、と思った。

大学時代から日本を代表する選手となり、2003年にプロの舞台に立った。1年目から試合に出場する機会を得て、プロ4年目の2006年にはドイツワールドカップで日本代表に選出。国内リーグでもジェフユナイテッド千葉、東京ヴェルディ、そしてロアッソ熊本に在籍。そしてロシア、中国への海外挑戦も経験した。

2018年シーズン限りで現役を引退することを発表。そこから約1年が経過し、2020年1月13日に地元熊本のえがお健康スタジアムで引退試合を開催する。現役時代は語ることのなかった当時の考えから引退後の活動まで、本人が語った(以下、巻談)


社会性を持たなかった現役時代

セカンドキャリアを意識して、いろんなことをやってみる。現役のサッカー選手だった頃、そんなことを考える余裕もありませんでした。当時、僕はとにかくサッカー選手としての時間を大事にした方が良いと感じて、ひたすらサッカーに打ち込んできました。

ただ、僕はサッカー選手は競技を辞めた後、次のステージで活躍出来るポテンシャルや能力を誰もが持っていると思うんです。サッカーは相手がいて、試合前に練ったプランが試合開始とともにすぐ壊れてしまうかもしれないスポーツ。その都度、すぐに新しいプランを考えて、実行に移さないといけない。だからこそ、問題解決能力は非常に高いと思いますし、瞬時の判断力がすごく養われていると思います。

では、決断と修正能力は絶対高いはずにもかかわらず、なぜサッカー選手が次のステージでなかなか活躍できないのか。それはサッカーで培った能力を、他の分野でも使えるように変換する能力が乏しいんだと思います。

文=新川諒 写真=小田駿一

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