引退後、何をするのか──巻誠一郎が語った、セカンドキャリアへの思い 

1月13日に地元熊本のえがお健康スタジアムで引退試合を開催する、巻誠一郎


目指すのは誰も描いたことがない監督像。とりあえず人と会ってみる

一回は監督をやってみたいなと思っています。みんなと違うアプローチで監督っていうものを目指しても良いのかな、と。

だいたい監督を目指す人はサッカーを辞めてそのままコーチになって、育成から1個ずつ下積みをして監督になる人がほとんどです。そうではなくて一回社会に出て、サッカーで培ってきた能力を社会の中で発揮出来たら必ずサッカーに役に立つんじゃないかなと思います。

サッカーから離れて色んなことが学びに繋がりますし、そこで得た考え方をサッカーに取り入れたら斬新なアイデアはたくさん生まれてきています。そういうチャレンジをする選手であり、そういう引退後のキャリアがあっても良いんじゃないかと思っています。

サッカーのフィルターを外して社会に出るのは、まだ1年目。何も知識のないまま本などに頼ってしまうと、その考え方に寄っていってしまいます。影響されやすいタイプなんです(笑)。それだったら自分で行動して、色んな経験をする中で自分が良いなと思うことを吸収していくほうが正しいと思います。本を読む時間があったら色んな人に会いに行って色んな話を聞くようにしています。

興味があること、興味がある人には自分から行きます。SNS上でアポを取ることもあれば、知人を介して会いに行くこともあります。

実際、aiwellに関わるきっかけとなったのは、もともと社長がライフレコーディングの会社を立ち上げ、それが僕たちの日々の健康チェックを行うためにクラブに導入されたことでした。それを見た瞬間に自分が行っていた放課後などのデイサービスにも国保連に挙げる日々の日誌の中に反映出来るシステムになるんじゃないかという発想の下、社長とアポを取って会わせてもらいました。

提案から取り組みましたが、結局商品として売り出すのは難しいという判断になってしまったんです。ですが、その時社長に「こいつ面白いな」と言っていただき、aiwellの立ち上げ時に誘っていただきました。
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文=新川諒 写真=小田駿一

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