国民的アイドルグループの嵐が「微博(Weibo)」や「抖音(Tiktok)」のアカウントを開設したことは記憶に新しいが、2018年から山下智久や木村拓哉、綾野剛がアカウントを開設したことを筆頭に、山崎賢人やあいみょん、小嶋陽菜などもアカウントを開設。この1年で、多くのタレントWeiboのアカウントを開設し、中国での活動にも力を入れ始めている。
なぜ、中国なのか──その背景にあるのは、日本と中国における「インフルエンサー市場」の規模の違いだ。
デジタルインファクト社の調査によれば、2019年時点で日本のインフルエンサー市場規模は267億円だが、中国は4兆544億円(Ruhnn Holding Limited のForm F1より)を記録。約152倍の差が生まれている。タレントたちが日本だけでなく、より大きな中国市場での活動を考えるのは自然なことと言えるだろう。
そうした中、本気で中国市場を狙いにいくタレントがいる。“ものまねメイク”で大ブレイクし、一躍その名を日本中にとどろかせた、ざわちんだ。彼女はタレントの中国進出支援事業「Ceeds(シーズ)」を手がけるSG ENTERTAINMENTのサポートを受け、今年10月から本格的にWeiboアカウント活用を開始。今後、中国での活動に本腰を入れ、2020年4月までにフォロワー数を50万人に、12月までに150万人にする予定だという。
いまが中国で勝負をするタイミングだった
「昔からチャンスがあればグローバルに活動したい気持ちはありました。芸名の“ざわちん”も、みんなに覚えてもらえやすいという理由もあります(笑)」
中国での活動について聞くと、ざわちんは過去を振り返りながらそう語った。意外と知らない人も多いかもしれないが、実は彼女、2017年1月末に公開された中国映画「賀歳龍虎豹(フエースイルンフゥバォー)」で主演を務めるなど、2年ほど前から中国で活動している。
結果的に、この映画は配信映画ランキングで1位を獲得。有料配信ながら、公開1週間で2000万回も視聴された。日本人マフィアの娘で気の強いヤンキー・静香を熱演したざわちんは、この映画をきっかけに中国で一定の知名度を得た。
その中国進出をサポートすべく、当時声をかける企業もあったが、あまり上手くいかず、途中で断念する。以降、中国進出については慎重を期していたざわちんだったが、このタイミングで本格的な進出を決めた。その背景には何があったのか。