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フォーブス ジャパン編集部 エディター


そうした仕事を続けていく中で、上野は新たな働き方を知ることになる。それが今や一般名詞のように使われるようになった「インスタグラマー」だ。インスタグラムで生計を立てていることを知った上野は、「今後個人の時代がやってくる」と確信し、インスタグラマーをプロモーションにキャスティングする事業を立ち上げると同時に、会社を設立した。21歳のときだ。

それなりに事業は上手くいっていたが、先行していた同業他社が複数多く存在し、この事業モデルだけだとIPO含む大きい事業体まで持っていけない。と判断し、途中で知人に社長を譲った。

中国の「メイク動画」には大きなチャンスがある

つぎにどんな事業を展開すべきか──さまざまなアイデアを考えた中、上野が見つけたのが「ライバープロデュース事業」だった。ライバーとは、ライブ配信で活躍するタレントのことだ。

「当時、中国でもライブ配信が流行っていましたし、今や世界の音楽シーンを席巻しているBTSはライブ配信を通じてファンを獲得していく戦略のもとデビューしていました。実際、日本でも17 Liveでの配信を通じて月間5000万ポイントを獲得する“あーるちゃん”などが生まれていて。ライブ配信の流れは今後、日本にも間違いなく来るだろうと思い、ライバープロデュース事業を始めることにしました」

こうして2019年1月にライバーチーム「LaLa(ララ)」を始動させる。所属ライバーはわずか5カ月で500名を突破。17Liveの世界大会でポテンシャル賞の世界一を獲得した『宇佐美えり』を輩出するなど、順調に事業を成長させている。

10月には、W Ventures、Pairsの創業者である赤坂優氏、MERYの生みの親であり、ペロリ創業者の中川綾太郎氏などエンジェル投資家から資金調達も実施した。 

この事業を手がける過程で、ライブ配信とライバーが中国を中心にアジアで急増し、話題になり始めていることを肌で感じたことから、上野は新規事業としてライバーだけでなく、日本のタレントやアーティストの中国進出をサポート&プロデュースする中国進出支援事業「Ceeds(シーズ)」を始めることにした。


SG ENTERTAINMENT代表取締役の上野翔太

「昨今、日本のタレントで中国に進出している人は増えていますが、個人的にはあまり本気度を感じていません。日本で既に発信しているコンテンツを中国語に翻訳して出すという運用が目立ちます。

中国ではすでにインフルエンサーの規模がすごい勢いで増えているので、それでは現地の人の心に刺さらず、フォロワーも伸びていかない。だからこそ、僕たちは中国向けにローカライズして制作したオリジナルで動画をつくった上で、 Weiboで約700万人のフォロワーを持つ日本屈指のKOLを顧問として招き、アドバイスをもらいながら中国事業を推進しています」

その事業のプロデュース第一弾として選ばれたのが、ざわちんだ。なぜ、ざわちんだったのか、上野はこう語る。

「中国では多くの人が美容整形に多額のお金を投じています。最近、Tiktokを見ていると、ビフォーアフター系の動画がよく投稿されています。そうした中で、中国ではメイク、ファッションにこだわることで、『自分が憧れる存在になりきりたい』欲が高まってきているのではないか、と思いました。

現在、日本でもチャイボーグや中国メイクが流行ってきていますが、上海や北京などの都市以外の地区ではまだメイクの技術が追いついていない。今後、しっかりメイクをコンテンツとして中国で伸ばすことはポテンシャルがあると思いましたし、何よりここに大きなチャンスがあるなと思いました。そして、ざわちんさんに本気で中国で活動していく思いがあったので、一緒にやることにしました。

中国進出は出演する本人もそうですし、運営する側も本気にならないといけない。そういう意味でざわちんさんとはお互いの目指す方向が一致していたんです」

文=新國翔大 写真=小田駿一

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